え、いなくなってたの!? ダイヤ改正で「サイレント引退」したJR車両3選

2025年3月のダイヤ改正を機に、ひっそりと引退した車両がJR各社にあります。それらはプレスリリースなどで引退が公表されることなく、セレモニーも行われませんでした。今回は3車種を紹介します。

JR貨物の機関車にも「サイレント引退」は存在

 JR貨物では、九州内で使用されていた電気機関車のED76形が定期運行から引退しています。ED76形は国鉄時代の1965(昭和40)年に登場し、九州や北海道で行われた交流電化の拡大に合わせて導入されました。

 大きく分けて、九州向けのED76形0番代とED76形1000番代、1968(昭和43)年に登場した北海道向けのED76形500番代などがあり、1979年までに合計で139両が製造されました。

 いずれも旅客列車と貨物列車のけん引の双方に対応し、蒸気機関車から電気機関車に置き換えた過程で、客車に暖房を供給すべく暖房用の蒸気発生装置を備えたことが特徴です。このため車体長が長くなりました。

 6つある車軸のうち、駆動するのは前後の4軸だけ。中の2軸は重量を分散させるためのものなので、動力は供給されません。ED76形では6つの車軸を3つの台車にまとめていますが、中央の台車に付くばねの圧力を変えて動輪にかかる重さを軽減したことで、重量の大きい機関車の入線が困難だった路線も走れるようになりました。

旅客各社も保有したED76形

 国鉄の分割民営化後は、JR北海道とJR九州、JR貨物が継承していますが、JR北海道が継承した車両は500番代で、九州向けとは外観や仕様がまるで異なります。なお北海道の車体は2001(平成13)年までに廃車されました。

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定期運行を終了したJR貨物の交流電気機関車ED76形(2023年11月、柴田東吾撮影)

 JR九州では寝台特急や貨物列車のけん引に使用されました。しかし寝台特急「富士・はやぶさ」が2009(平成21)年に運行終了となったことで役目を終え、2012(平成24)年までに廃車ないしJR貨物に移管して姿を消しています。

 JR貨物では九州内の貨物列車をけん引すべく、0番代と1000番代を継承したほか、前述したようにJR九州から一部購入しています。ちなみに、交流電気機関車は赤く塗られているのが基本ですが、JR貨物では青色に塗られたこともあります。

 このように、ED76形を最後まで使用していたのがJR貨物でしたが、後継のEF510形電気機関車が導入されたことで定期運行を終了しています。以後は、臨時の貨物列車けん引やEF510形などの代わりとして使用される機会もあるかもしれませんが、このままフェードアウトするのではと筆者(柴田東吾:鉄道趣味ライター)は考えています。

若人は知らない?「湘南色」の横須賀線の車両(写真)

Writer:

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

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コメント

2件のコメント

  1. 銀釜も定期運用離脱したのでは?

  2. そもそも、E217は、とっくに、引退してるはずたったんだよね。