「アメ車が売れない。不公平だ」 米“50年の無茶ぶり”に日本はどう対応してきたか あれもこれも“外圧”で変わった
第二次トランプ政権の発足以降、自動車の貿易を巡る日米間の摩擦が再び注目されています。約50年以上にわたって続く、こうした追加関税や非関税障壁を巡る攻防は、どのように打開されてきたのでしょうか。
“壁”は関税にあらず?
このグループには欧州委員会やカナダ、オーストラリアもオブザーバーとして参加し、協議は平和的に進行しました。
ところが2013年、米国はTPP(環太平洋パートナーシップ)交渉と並行して、再び自動車関税や非関税障壁に対する強い要望を日本側に提示しました。2016年にはルームミラーなど7種目について、認証試験を簡素化するといった非関税障壁の除外が進められています。
そして2017年に第一次トランプ政権が誕生すると、問題は一気に再燃。トヨタが米国向け「カローラ」の生産工場をメキシコに建設する計画を発表すると、トランプ大統領は「とんでもないことだ! 米国に工場を建設しろ、さもなければ高い関税を支払え」とSNSにコメントしています。
このように、米国政府は莫大な貿易赤字の改善のため、なりふり構わぬ姿勢を取ってきました。これには日本政府や日本の自動車業界も大きく振り回され、現在に至っていますが、日本市場でのアメリカ車の販売台数は、1996年の約7万2900台をピークに減少を続けています。
また、フォードとクライスラーはすでに日本から撤退しており、2025年度のアメリカ車の販売実績はジープ、テスラ、GMのキャデラックなどを合わせて、1万1000台程度(テスラは国別の販売台数非公表のため推定)となっています。
その要因については多くの識者が指摘していますが、決して日本市場が排他的なためではないと考えられます。日本の道路事情に合ったサイズ、多くの日本人が望む環境性能や顧客サービス、購入後のメンテナンス体制などが合致していなければ、アメリカ車でなくても、日本国内で売れないのは当然のことでしょう。
対日貿易赤字が改善しなければ、第二次トランプ政権がまた締め付けを強くしてくるとも予想されますが、それによって非関税障壁を崩したとしても、日本のユーザーの心理的な壁を崩すまでに至るかは不明瞭です。軽規格EVを投入する中国のBYDのように、強行突破するより、もっと柔軟な戦略をとった方が効果的なのかもしれません。
Writer: まるも亜希子(カーライフ・ジャーナリスト)
カーライフ・ジャーナリスト。20年以上に及ぶ国内外での取材経験を生かし、雑誌・ウェブサイト・TV・ラジオ・トークショーなどに出演・寄稿する他、安全&エコドライブのインストラクターも務める。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2006年〜)。現在はYoutube「クルマ業界女子部チャンネル」でもユルく楽しいカーライフ情報を発信中。





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