僚艦が火事でも爆速で逃げてイイ艦とは!? 現役自衛官に聞いた海自のガチすぎる「防火訓練」のリアル
消防車が来ない海の上で、自衛隊の艦艇はどう火災に対処するのでしょうか。現役の海上自衛官に聞いた、段階的に強化されるガチの消火訓練から、補給艦ならではの「爆速で逃げる」意外な対応まで、知られざる艦内のリアルを解説します。
僚艦が火事! でも「○○艦」だけは爆速で逃げてOKな納得の理由
訓練のタイミングにもいろいろあり、まず停泊中には「一部不在時防火訓練」といって当直員だけで対応する訓練があります。その日の当直員によって毎日、用具員やポンプ員といった応急隊を編成。限られた人数で火災に対応するため、誰でもすぐ動ける状態を作っておくのです。
出港中の訓練はまた少し違っていて、人数が総員いるので、前部区画・中部区画・後部区画ごとに決まった応急班を編成して動きます。ちなみに防火訓練の日時は事前に知らされているそうですが、どこが燃えるかまでは教えてもらえません。そこはさすがに緊急時だから秘密なのかと思いきや、腕章をつけた艦内訓練指導官が特定の場所をうろうろしているので、なんとなく「ここが燃えるんだろうなあ…」とわかるけど、見て見ぬふりをするのだそう。ある意味、こんなところまでスマート(?)です。
ほかにも、僚艦で火災が起きた場合には「派遣防火部署」が編成されます。安全が確認されている停泊中の艦艇から派遣防火隊が編成され、各自火災の種類に応じた装備を持ってゾロゾロ集まってきます。ちなみに、この訓練は基本的に僚艦全てで対応にあたります。
とはいえ、1つだけイレギュラーが。それは、停泊中の艦艇に「補給艦」がいた場合。補給艦には燃料がたくさん積まれているため、このような場合は消火には参加せず僚艦から爆速で離れていくそう。防火隊に参加しないんじゃなくて、できないんです。これも周りを守るための必要な対応なんですね。
こうした防火訓練は定期的に行われていて、練度は常に維持されています。残念ながら実際に火災が起きたケースもありますが、そのときに被害を最小限に抑えられているのは、こうした日頃の積み重ねがあるからこそ。家族としては、どうか日々安全に過ごしてほしいと願うばかりです。
Writer: たいらさおり(漫画家/デザイナー)
漫画家・デザイナー。夫のやこさん、娘のみーちゃんと暮らすのんきなオタク。海自にはまってからあれよあれよと人生が変わってしまった。著書「海自オタがうっかり『中の人』と結婚した件。(秀和システム)」「北海道民のオキテ(KADOKAWA中経出版)」各シリーズ発売中。





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