300億円かけたのに15年で廃止!? 幻の路線「ピーチライナー」なぜ失敗したのか?20年経っても“解体されない”切実な事情

愛知県小牧市には、かつて大きく期待された公共交通機関「桃花台交通」がありました。しかし、実際に営業したのはわずか15年ほど。短命に終わった原因について、現在の駅周辺を探索しながら考えてみました。

失敗の要因は「需要の目測誤り」と「不便な接続」

ピーチライナーが失敗した大きな理由は、需要の目測を誤った点でしょう。

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今も残る「ピーチライナー」の路線(鈴木伊玖馬撮影)

 まずアクセスの問題です。開業当時、接続していた名鉄小牧線は、名古屋市営地下鉄名城線と直通していませんでした(直通開始は2003年)。そうなると、ピーチライナーの利用機会は、桃花台ニュータウンから小牧市中央へ行きたい時や犬山方面に行きたい場合に限られてしまいます。これでは、簡単に利用者数は伸びません。

 実際、桃花台ニュータウンの住民が名古屋市街へ向かう場合は、バスやマイカーでJR中央線の春日井駅に向かうケースが多かったそうです。

 さらに、桃花台ニュータウンの計画自体が順調に進んでいなかった点も考慮すべきでしょう。当初4万7000人を見込んでいた移住人口は、オイルショックやバブル崩壊といった経済動向の影響もあり、最大でも2万8000人程度に留まりました。この規模の人口に対して、そもそも大がかりな新交通システムを建設するのが適切であったのか、疑問が残ります。

 ちなみに、「ピーチライナー」が廃止されると、JR春日井駅や高蔵寺駅方面、あるいは栄・名古屋駅方面直通などへの代替バスが運行され始めました。これらは想定以上に実績を伸ばしており、住民の本当のニーズが元来どこにあったのかを物語っています。

 筆者(鈴木伊玖馬:乗りもの好きライター)は、隣の春日井市に住んでいますが、ピーチライナーに乗車した経験はおろか、存在すら「あった気がする……」程度の記憶しかありません。

 2000年代前半には小牧駅近くの塾に通っていたため、路線自体は目撃しているはずですが、それでも記憶が曖昧なあたりに、当時の存在感の薄さを感じてしまいます。

【カラフルなまま現存!】廃止から20年!「ピーチライナー」の遺構を巡ってみた(画像)

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