原生林の中で「朽ちていく鉄道橋」が国道沿いに次々と現れる! 約90年前の“美しすぎる橋梁群”が残る廃線跡を追う

北海道上士幌町には、旧国鉄士幌線の廃線跡が「コンクリートアーチ橋梁群」として残っています。最も有名なタウシュベツ川橋梁だけでなく、年月を経た壮麗な橋が見る者を捉えます。

国道を走ると「壮麗な橋梁群」が次々と!

 こうした背景を踏まえ、この橋梁群を見学すべく、実際に現地を訪ねてみました。

 音更町の中心部から北に延びる国道241号は、北海道らしい広い平野をほぼ一直線に進んでいきます。音更町から約30分で上士幌町の市街地に入り、左折して国道273号に進むと、まもなく眼前には大雪山系の山々が迫り、十勝平野の終わりが近いことがわかります。

 そしてここから山に分け入ると、旧士幌線橋梁遺構群が次々に現れます。

 まず最初に目に入るのは、上士幌町の市街地から約15kmにある「第三音更川橋梁」です。音更川を渡る泉翠橋の先、左にある駐車スペースにクルマを止めて橋のなかばまで徒歩で戻ると、美しいアーチが音更川を渡る姿が目に飛び込んできます。

 つぎの見どころは、ここから「鱒見トンネル」を抜けた先の左手、音更川の対岸の「第四音更川橋梁」です。落ち着いて観察するなら、トンネルの先の右手にある、国道から山に分け入るように設けられた駐車スペースを利用しましょう。

いよいよ大ボス“幻の橋”へ でも近づくのは至難のワザ?

 この先、国道273号は、温泉街「ぬかびら源泉郷」で回り込むように北に進路を変え、「糠平川橋梁跡」「三の沢橋梁跡」「五の沢橋梁跡」と橋梁跡群をたどるように進みます。五の沢橋梁跡の先、ぬかびら源泉郷からは7kmほど走ったところにあるのが、「タウシュベツ展望台」です。

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「第五音更川橋梁」は、高さのあるアーチの造形が美しい(植村祐介撮影)

 進行方向右手側の路肩にある駐車スペースにクルマを止め、原生林を抜けるように設けられた遊歩道をダム湖畔まで歩くと、視界が開け、タウシュベツ川橋梁跡が湖面のはるか彼方に姿を現します。水量が減った6月下旬の湖面にアーチを映すその姿はとても美しく、そして“取り残された感”がとても幻想的でもあります。

 じつはこのタウシュベツ川橋梁跡に、より近づいて見る方法もあります。それは対岸にある林道を使ったアクセスです。

 ただこの林道は、観光客のクルマによる事故が過去に多発したことから、一般車両の通行が規制され、観光客がクルマで乗り入れるには、「道の駅かみしほろ」にて1日15本限定で貸し出される林道ゲートのカギが必要です。

 またこのゲートから林道を歩けば、タウシュベツ川橋梁跡まで約40分でアクセスできますが、周辺がヒグマの生息地であることから、推奨されていません。

 タウシュベツ川橋梁跡を間近で見るには、カギの“競争率”が比較的小さい平日を狙うのがもっとも確実です。さらに付け加えるなら、「カギが予約できたから飛行機を手配する」くらいの意気込みが必要なのかもしれません。

 そのカギを借り出し、タウシュベツ川橋梁の目の前までアプローチしたレポートは別稿でお伝えします。

【よく残ってたな!】これが北海道の山奥に遺る「幻想的な橋梁群」です(地図/写真)

Writer:

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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