「職人を機械で置き換える」は時代遅れ? 鉄鋼商社が「人型ロボット」を積極販売する“切実”な理由

東京ビッグサイトで開催された「ものづくりワールド」で、岡谷鋼機が無人フォークリフトと人型ロボットを展示しました。労働人口が減少する中、単純な機械化の先にある“次世代の省人化”の形とはどのようなものでしょうか。

「人が機械に置き換わる」はもう古い 新たな省人化のカタチ

 2026年7月1日(水)から3日(金)まで、東京ビッグサイト(東京都江東区)にて「第38回 ものづくりワールド」が開催されています。今回は「建築DX展+」や「物流DX展」も同時開催され、ソフトウェアからハードウェアまで多くのソリューションが発表されています。

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岡谷鋼機の取り扱う作業用ヒューマノイド。下半身は移動可能な台車となっている(乗りものニュース編集部撮影)。

 その中で、鉄鋼などの材料メーカーである岡谷鋼機株式会社は、会場でも珍しい「無人フォークリフト」と「遠隔操作する人型ロボット」を展示しました。

 同社は鉄鋼メーカーですが、自動車向けの電装部品や、そこから派生した生産自動化設備にも力を入れています。近年、特に需要があったのが「自動運転車両を使った、工場などの省人化」でした。こうしたニーズに応えるため、同社は中国の大手ロボットメーカーであるAGIBOT(智元機器人)と正規代理店契約を締結し、人型ロボットの導入を進めています。

 なぜ工場に、遠隔操作型の人型ロボットを導入するのでしょうか。その答えは、作業の複雑化にあります。

 これまでもAGV(無人搬送車)や無人フォークリフトを使った工場の省人化は進められてきました。しかし、それらはあくまで「1つの作業を機械で効率化する」というものです。時間によって作業内容が変わったり、同じ作業でも徐々に内容が変化したりする場合には、それぞれに専用の機械を割り当てる必要がありました。

 これからの複雑な作業に対応するのが、人間、あるいはそれに準ずる「人型ロボット」です。日本の製造現場ではいまだに、協働ロボットなどのヒューマノイドの投入はごくわずかに留まっているものの、労働人口の減少問題は待ったなしで迫っています。また、自動フォークリフトに関しても、そもそもフォークリフト免許の所有者が年々減少しているという背景があります。

 同社の担当者は「省人化といって作業を人から機械に置き換える時代はもう終わりました。これからは『初めから機械で作業する』ような流れが数年続くでしょう」と語っていました。

 全ての作業をある程度こなせる人型ロボットと、単体の作業に特化したAGVなど。これらの協業こそが、減りゆく労働人口の問題を解決する、新しい労働形態になるのかもしれません。

【有資格者がもう居ない状況】これが“全自動フォークリフトなどを活かす”労働人口減少時代の作業環境です(写真)

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