日本初「水素クルーズ船」東京湾に就航へ 日本郵船140年の集大成に!? バブルの香り残す36年選手を置換え

日本郵船が、東京湾で36年間親しまれてきたレストラン船「レディクリスタル」の後継船を発表。新クルーズ船「AMANE(あまね)」は、日本郵船として初めて水素燃料を搭載するなど、これまでの船とは一線を画す存在となるようです。

「旧岩崎庭園」にインスパイア

 AMANEの船内は1階にメインダイニング、2階に3つの個室とバーラウンジ、そして船首デッキや最上階のフライングデッキなどを備えます。船のトータルデザインを手掛けたのは、国内外で多彩なプロジェクトを手がける世界的なデザイナー、ワンダーウォール代表の片山正通氏です。

 片山氏は、初めてレディクリスタルに乗船した際に「こんな豊かな風景が広がってるのか」と感動した経験と、かつて訪れた旧岩崎邸庭園からインスピレーションを得て、デザインコンセプトを「庭園としての東京湾」としました。「東京湾を庭と見立てて、そこに浮かぶ邸宅」をイメージしたといいます。

 デザインのテーマは「和魂洋才」と「わびさびとエスプリ」。日本の伝統的な精神を大切にしつつ、西洋の文化や先端技術を融合させ、「30年後、40年後も古くならないようなデザイン」を目指したと語ります。プロジェクトの開始にあたり、約140年におよぶ日本郵船が紡いできた客船文化の歴史をひもといていったそうです。

 そのこだわりは、船の構造にも表れています。通常、風の影響を避けるために船尾に設けられることが多いプライベートな個室を、「どうしても船に乗ったときに、前を見たい」という片山氏の強い要望で、最も眺めの良い船首に配置。そのために操舵室の位置を移動させるという設計変更が行われました。これにより、船首には前面がラウンドガラスとなった12名用の大きな個室が誕生します。

「デザインよりむしろ海を見ていただきたい。空間を移動しながら、それぞれの場所から見る東京湾を楽しんでいただくような考え」と片山氏は説明し、船上での体験を最も重視していると強調しました。

“モノ”より“コト”を売る 「ブティッククルーズ」という体験

 ハード面を担当する片山氏に対し、レストランのプロデュースなどソフト面の顧客体験の構築を担ったのが、天王洲アイルのブルワリーレストラン「T.Y.HARBOR」などを運営するタイソンズアンドカンパニー代表の寺田心平氏です。

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会見の様子。左から寺田心平氏、曽我貴也社長、片山正通氏(乗りものニュース編集部撮影)

 寺田氏は「飲食店が売るものは食べ物、飲み物を楽しみながら過ごす時間そのもの」という哲学のもと、乗船前から下船後まで、一連の“物語”として体験をデザインするといいます。

 コンセプトは「ブティッククルーズ」とのこと。「大型のホテルに対して、都会にはブティックホテルと呼ばれる小規模のホテルがあります。同じように小規模でデザイン性が高く、上質で、人と人との距離が近いホスピタリティのあるシティクルーズ体験を作ろうとしました」と寺田氏は語ります。

【超カッコイイ!】これが日本初「東京湾の水素クルーズ船」です(写真で見る)

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