「67年ぶりの新型車両」増備で旧型車両が引退へ いろいろ魔改造された“おさがり”の60年選手 乗れるのは残りわずか?
鉄道友の会ローレル賞に輝いた新型車両の導入を進める地方私鉄で、首都圏大手私鉄から譲り受けた「アラ還」電車の完全引退が迫っています。それはオリジナル車両にさまざまな手を加えた“魔改造車”でした。
残り少なくなった元京王車
1996年12月1日に京王では5000系の旅客運用のラストランを迎えましたが、それ以前から、一部は改造されて地方私鉄に譲渡されました。その一つが伊予鉄で、京王子会社の京王重機整備で改造されて1987~94年に移籍しました。
伊予鉄ではピーク時に3両編成が8編成、2両編成が2編成の計28両が在籍しましたが、現在残っているのは3両編成が1編成、2両編成が2編成の計7両だけ。いずれも日本車両製造が手がけ、1964~66年に造られました。
筆者が松山市在住の鉄道ファンから聞いたのは「平日の日中や土曜・休日は718と768の2両編成と、719と769の2両編成がそれぞれ走り、平日朝の通勤通学ラッシュ時は連結して4両で運行することが多い」という情報でした。765と715、725の3両編成も「この前も見かけた」と言われましたので、期待が持てます。
そこで、平日の昼過ぎに直通運転している高浜線と横河原線のほか、郡中線も乗り入れる主要駅の松山市駅へ行き、700系が来るのを待つことにしました。なお、筆者が訪れたのは2026年4月のことで、現在は状況が変わっている可能性があります。
伊予鉄は「ICOCA(イコカ)」や「Suica(スイカ)」などのIC乗車券に対応しているため、改札口には簡易ICカード改札機があります。持っているIC乗車券を松山市駅の改札機にタッチして入場し、行き先を決めずに700形で運用されている電車に乗り込むことにしました。
幸先が良いことに、次に発車する高浜線高浜発の横河原線横河原行きが718と768の2両編成でプラットホームに滑り込んできました。ともに1966年製です。
車体は愛媛県の名産品である柑橘類をイメージしたオレンジ一色で塗っており、前面と側面に白抜きで「IYOTETSU」の英文字のロゴが入っています。京王時代のアイボリー色に赤色の帯と大きくかけ離れているのに加え、さまざまな“魔改造”が施されていました。
まず、前面の中央にある貫通扉にあった方向幕がありません。側面の方向幕は残っていたものの、その左側にあった種別幕が消えています。伊予鉄は各駅停車しかなく、種別を表示する必要がないためです。





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