「嫁入り道具の定番バイク」「全家庭の必需品」「買えなければ結婚できない」 日本人が知らないアジアのスゴする「ベスパ熱」をご存じか?
高度経済成長期の日本ではマイカーブームが起こりましたが、同時期の台湾やインドでは「ベスパ」がその役目を担っていました。映画のオシャレなイメージとは違う、アジアの人々の生活に深く根付いた歴史があります。
インドではベスパが結婚の結納金!? 納車待ちで結婚を10年遅らせた例も
前述した、台湾ベスパとも関係深いインドのライセンスベスパは、1972年から製造販売がスタートしました。インドの国民的英雄として知られた君主マハラナ・プラタップが飼っていた馬「チェタック」からその名をもらい、バジャジ・チェタック(いわゆるインドベスパ)と名付けられました。
バジャジは「ベスパは、インド人の家庭すべての必需品だ」と大々的にキャンペーンを行ったこともあり、庶民に広く普及しました。さらに驚くべきことに、結婚式においてはベスパが結納金代わりにもなりました。結婚をする際にも、「新郎がベスパを用意できなければ男じゃない」と新婦側から認めてもらえないケースが珍しくなく、ベスパの納車が間に合わず、結婚式を延期する例もよくあったと言われています。
他方、バジャジのインドベスパの製造台数は、政府によって厳しく管理されていて、一時は「年間2万台」に制限されていました。当然、「ベスパが買えない=結婚できない」カップルもいるため、お金がある場合は闇市場でベスパを購入し間に合わせ、お金がない場合はベスパの納車を待って10年結婚を遅らせた人までいたとのことです。
ここまでの通り、インドにおけるベスパもまた庶民の生活に根付き、ステータスシンボルでもあったわけです。しかし、時代が代わりニーズが減少。世界的な流れを受けてバジャジでは4サイクルのベスパも開発しますが、売り上げは低迷。2009年にスクーター全般の生産を中止するに至りました。





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