「嫁入り道具の定番バイク」「全家庭の必需品」「買えなければ結婚できない」 日本人が知らないアジアのスゴする「ベスパ熱」をご存じか?

高度経済成長期の日本ではマイカーブームが起こりましたが、同時期の台湾やインドでは「ベスパ」がその役目を担っていました。映画のオシャレなイメージとは違う、アジアの人々の生活に深く根付いた歴史があります。

タイ、インドネシア、ベトナムでもライセンス生産されていたベスパたち

 日本におけるベスパは、GHQが持ち込んだのが最初と言われています。以降コアなマニアの間で親しまれ、1980年代後半から1990年代にかけて大ブームを巻き起こしました。1979年放映の伝説のテレビドラマ『探偵物語』の劇中では、主演の松田優作がアイコン的に乗りお茶の間で認知されています。イタリア本国では廃盤となっていた旧式のスモールボディのベスパを、日本の商社が「日本向け」として特別にオーダーをし、輸入したことで大ヒットしました。

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横浜にあるバイクショップ、モトビート・シフトアップではインドベスパの新車を今も販売中

 また、日本におけるベスパブーム期は、前述の台湾ベスパ、インドベスパも輸入され、台湾同様の「出自が異なるベスパ」が存在し、当時輸入されたデッドストックのインドベスパが今も新車で購入できる、という驚愕の事実もあります。

 この他にもタイ、インドネシア、ベトナムなどでも独自にライセンスを取得しベスパを製造していた時代もありました。その結果「自国の経済発展を支えたスクーター」として各国で根強い支持を得続けています。

 ベスパと言うと、映画『ローマの休日』での名シーンや、イギリスのムーブメント『モッズ』の象徴として取り上げられることが多いですが、実はアジア諸国でも深く親しまれた乗り物でもありました。

 造形が美しく、スカートでも乗れる合理性とメンテのしやすさ、そしてどこかクルマっぽくて頑丈で、国によって家族全員で乗ることもできたクラシックベスパ。今改めて注目したい特別なスクーターです。

【壮観!!】ズラリならんだ「ベスパ警察隊」も! これがアジアのベスパだ!(写真で見る)

Writer:

1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。

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