「こ、これがEV!?」 常識を覆すホンダ「スーパーワン」が超楽しい! 常時BOOSTで走ってヨシ!? 補助金の高さも話題に

ホンダの新型BEV「スーパーワン」は、軽の「N-ONE e:」をベースとしながら、白ナンバー車として作られた異色の小型スポーツカーです。購入補助金の高額さも話題となりましたが、走りの面ではどのような実力を持っているのでしょうか。

クルマとしての基本性能が高い!

 次に、スーパーワンのメカニズムを解説していきます。ハードウェア面ではシャシー関係の変更が特に大きく、専用セッティングのサスペンションや強化されたリアアクスル、高剛性のハブなどが採用されています。また、専用デザインのホイールには185/55R15のタイヤが組み合わされ、インチアップとワイド化が図られています。

Large 20260725 01

拡大画像

車重1090kgという軽量設計のホンダ「スーパーワン」(西川昇吾撮影)

 反対にパワーユニットは、バッテリーもモーターもN-ONE e:と同じもの。変更はソフトウェア制御のみに留まっていますが、最高出力はN-ONE:eの47kWに対し、スーパーワンは「BOOST」モードを選択した際に、軽の自主規制値を超える70kWを発揮するようになっています。また、変速システムには新型「プレリュード」で初採用された「S+shift」のように、仮想の7段変速が味わえるようにもなっています。

 実際に試乗してみての第一印象は「スポーツカー的な乗り味が濃い!」でした。ステアリングはシャープかつクイックに反応し、サスペンションも突き上げ感をやや抑えつつ、強めの減衰力で引き締められているのがわかりました。スポーツカーが好きな人ならば、一般公道を普通に走るだけでも非日常的で“ファン”な乗り味が実感できるでしょう。

 ワインディングロードを楽しみながら、走行モードを「SPORT」モードへ変更します。このモードになると出力はそのままで、仮想の変速と疑似的なエンジンサウンドを楽しめるようになります。まるでマニュアル式のトランスミッションを積んでいるかのような演出はさすがです。シフトアップ時のフィーリングの完成度もさることながら、シフトダウン時にエンジンブレーキが効くような制御も自然に再現されています。

 このSPORTモードでも充分楽しいですが、極めつけは最高出力を発揮する「BOOST」モードでしょう。程よくパワーが上乗せされるので、「やっぱりこっちの方が楽しさでは上」と思わせてくれます。

 一方で、BOOSTモードは出力の最大値が解放されるだけなので、アクセルの踏み方にさえ気をつけていれば、航続距離が減らないのもポイントです。エンジンサウンドも大きくなるため、普段から「常時BOOSTモード」もアリだと感じました。

 しかし、ワインディングでの試乗を通じて、筆者(西川昇吾:モータージャーナリスト)が最も魅力的に感じたのはクルマの軽さです。1090kgという車重はBEVとしてはトップレベルで軽く、基本性能である「走る・曲がる・止まる」の高レベル化に寄与しています。スーパーワンの楽しさ、気持ちよさはドライブモードの制御ではなく、この軽さが基礎なのだと思いました。

 ひとつだけ惜しいなと感じたのは、疑似エンジンサウンドの音質。スーパーワンの室内に響いたのは大排気量エンジンのようなサウンドでしたが、ホンダの小型スポーツカーとなると、個人的には自然吸気のVTECエンジンのようなサウンドが望ましいという考えです。これは採用されているサウンドプロセッサーというハードウェアの問題で、ソフトウェアの書き換えによる変更が難しいとのことですが、オプションでいいので、違うサウンドも楽しめたらより面白いなと思いました。

 近年は国産メーカーからも多くのBEVが販売されていますが、日本製BEVのなかでも、スーパーワンほど個性の際立ったモデルもなかなか思い当たりません。愛される要素を充分持ったクルマだからこそ、各々のユーザーに合わせてカスタマイズしたくなる1台でもあります。エンジンサウンドも含め、カスタマイズ方向でのオプションやアップデートがこれから充実していくことに期待したいです。

【写真で見る】これが「国産最軽量レベルのEV」です

Writer:

1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体、ファッション誌などで、新車情報からカスタムかー、旧車、カーライフお役立ちネタまでクルマに関して幅広く執筆。自身でのレース活動も行っている。

最新記事

コメント