空自F-15J/DJ戦闘機、新たな改修でどう変わる? 新中期防、まずは20機から実施

J-MSIP機への新たな改修は3項目

 一方102機のJ-MSIP機は、全機に対してではないもののこれまでに、より高性能なレーダーへの換装や、ヘルメット装着型照準装置の追加といった改修が施されており、現在でも周辺諸国の戦闘機へ対抗できる能力を備えているため、今後も長期に渡って運用される見込みとなっています。今回、中期防に盛り込まれた能力向上改修は、このJ-MSIP機に対して行なわれます。

 防衛省は、2018年8月31日に発表した平成31年度防衛予算の概算要求で、F-15J/DJのJ-MSIP機における新たな能力改修の内容について、空対空ミサイルの搭載数を増やす「搭載弾数の増加」、敵の攻撃を回避して生存性を高める「電子戦能力の向上」、敵防空システムの射程外からの攻撃能力を持たせる「スタンド・オフ・ミサイルの搭載」という3項目を上げています。

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「JA2018」にボーイングが出展した、AIM-120空対空ミサイルを18発搭載するF-15の大型模型(竹内 修撮影)。

「搭載弾数の増加」について、そもそもF-15J/DJは、胴体下のステーション(兵装装着部)に4発、左右両主翼のステーションに各2発、合計8発の中距離空対空ミサイルを搭載できます。F-15のメーカーであるボーイングは、アメリカ空軍のF-15C戦闘機に対し、能力向上改修案「F-15C 2040」を提案していますが、この案には胴体左右に設けられた増加燃料タンクのステーションにAIM-120「AMRAAM」空対空ミサイルの2連装ランチャーを、左右両主翼下のステーションにAIM-120の4連装ランチャーをそれぞれ装着し、空対空ミサイルの搭載数を16発に増加させる計画が含まれています。またボーイングは2018年11月に東京ビッグサイトで開催された「国際航空宇宙展2018東京」(以下「JA2018」)に、AIM-120を18発搭載するF-15の模型も出展しています。

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