空自F-15J/DJ戦闘機、新たな改修でどう変わる? 新中期防、まずは20機から実施

改修の先にF-15J/DJの新たな役割

 前にも述べたようにJ-MSIP機は、一部の計器盤をアナログ式からディスプレイに変更していますが、後述する「スタンド・オフ・ミサイルの搭載」にあたっては、コクピットのさらなる改修も必要になると思われます。たとえば、イスラエルのエルビット・システムズは「JA2018」に、大型カラーディスプレイを使用する「F-15先進コクピットシステム」を出展しています。このような近代的なコクピットには、アナログ計器の削減による重量低減に加えて、パイロットの負担を減らせるというメリットがあります。

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「JA2018」にて、欧州ミサイルメーカーMBDAのF-15模型。両主翼下に地中貫通型巡航ミサイルKEPD350、胴体下に長距離空対空ミサイル「ミーティア」を搭載(竹内 修撮影)。

 敵防空システムの、射程外からの攻撃能力を持たせる「スタンド・オフ・ミサイルの搭載」については、すでにF-15への搭載に向けた調査が行なわれている、空中発射型巡航ミサイル「JASSM」(Joint-Air-to-Surface-Missile)と長距離対艦ミサイル「LRASM」(Long Range Anti-Ship-Missile)の採用が検討されているようです。加えて、これらを搭載するための改修を加えたJ-MSIP機には、航空自衛隊がF-35用の対艦ミサイルとして導入する「JSM」(Joint-Strike-Missile)や、移動目標への攻撃能力を持つ誘導爆弾「ストームブレーカー」、地中貫通型巡航ミサイル「KEPD350」などの搭載も可能になります。

 F-15J/DJは、これまで空対空戦闘を主任務としてきましたが、ここまで述べてきたような能力向上改修を受けたJ-MSIP機は、空対空戦闘能力がさらに向上するだけでなく、空対艦、空対地戦闘も可能な「マルチロールファイター(多用途戦闘機)」へと生まれ変わり、今後も日本の空を守っていくことになります。

【了】

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