持ち逃げは不可避か 駅やバスの無料貸し出し傘、返却率で明暗わかれる

駅やバス車内などで、傘の無料貸し出しを行っていることがありますが、利用者が必ずしも使用後に返却するわけではないようです。返却率の悪さからサービスを停止する事例もある一方で、「返却率70%以上」というところもあります。

短命に終わることも多い傘の無料貸し出し

 一部の駅などで行われている傘の無料貸し出しが、返却する人が少ないために、継続が困難になるケースがあります。

Large 190610 kasa 01

拡大画像

警視庁管内で拾得物として処理される傘類は、年間およそ34万点以上。写真はイメージ(画像:federicofoto/123RF)。

 たとえば名古屋市交通局では、「友愛の傘」と呼ばれる傘立てを市営地下鉄の全87駅中85駅で設置しています。1962(昭和37)年から50年以上にわたり続くサービスですが、傘が傘立てに全くないケースが多く、「返却率は高くないと認識しています」(名古屋市交通局)とのこと。

 2016年3月には、北海道函館市が北海道新幹線の開業を機に、函館駅や市内の主要箇所に傘立てを設置し、無料貸し出しサービスを開始しましたが、返却率の低さから1年後に廃止となりました。2000年代には京王電鉄や、新京成電鉄などでもこのようなサービスが一時実施されましたが、いずれも短命に終わっています。

 2018年6月から駅の改札口付近に傘立てを設置し、傘の無料貸し出しを開始したIRいしかわ鉄道(石川県内の旧JR北陸本線を運営)でも、「返却率は、はっきり言って高くありません」とのことで、傘をひんぱんに補充しているといいます。

 それでも同社がサービスを続けるのは、同社に所有権が移行した忘れ物の傘(遺失物法に基づく保管期限の過ぎた傘)を有効利用できる側面があるからです。「大量に発生する忘れ物の傘を廃棄するのにもお金がかかります。それを有効利用し、サービス向上につなげる目的で始めました」といい、状態がよく、柄が少ないものを選別して貸し出し用にしているそうです。

 なお、名古屋市営地下鉄の「友愛の傘」や、函館市が提供していた傘は新品です。前者の傘は、団体・企業から寄付されたもので、その寄付があったときに初めて傘立てに補充される仕組みだそうです。後者の場合は、新品のビニール傘に専用のロゴをプリントしていたそうですが、返却されず追加購入のコストがかかることも、廃止の要因でした。

この記事の画像をもっと見る(4枚)

画像ギャラリー

  • Thumbnail 190610 kasa 04
  • Thumbnail 190610 kasa 01
  • Thumbnail 190610 kasa 02
  • Thumbnail 190610 kasa 03

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 昨年迄中国(上海)に赴任していました。
    上海では、2年位前から駅の改札の近くに無料の貸し傘の機械が置かれてました。
    ただし、無料と言ってもスマホでQRコードを読み取り、電話番号でユーザー登録し、デポジットを電子マネー(Alipay,WeChat Pay)で支払って借りるものです。
     デポジットを払うのでお金を持ってないと借りれませんが、返却後デポジットの返金手続きを取ればお金は戻って来るので費用は掛かりません。
    日本でも、デポジットを取れば傘を返すしかなくなると思いますね。