持ち逃げは不可避か 駅やバスの無料貸し出し傘、返却率で明暗わかれる

鉄道会社の「忘れ物傘」が巡り巡って…

 ひとつは、駅や繁華街、観光地など人通りの多いところで実施していないことだといいます。「そのような場所では、1回きりの使用で返ってこないことが多いですし、観光客の方は、返したくても返せないという状況になります。そもそも、売店などで傘を購入しやすい場所ではなく、傘を買いたくても買えない方に手を差し伸べられるようにしています」とのこと。駅からやや離れた、地元の特定の人が毎日通るような場所で展開しているのだそうです。

 もうひとつの要因は、ビニール傘を使っていない点だそうです。「ビニール傘は風で破損しやすいうえ、似通ったものが多いこともあり、家まで使って、そのままにされてしまう可能性が高いためです」と話します。ただし、仙台市交通局や新潟交通などでは、貸し出し傘はどちらかというとビニール傘が多いそうなので、これはケースバイケースかもしれません。

Large 190610 kasa 03
鉄道の忘れ物傘を再利用しているダイドードリンコの「レンタルアンブレラ」(画像:ダイドードリンコ)。

 なお、ダイドードリンコでは当初、新品の貸し出し用傘を自前で用意していましたが、2019年度からは忘れ物のリサイクル傘のみとし、おもに近鉄、西武、東急、名鉄、JR西日本の鉄道各社から提供を受けたものを活用しているとのこと。

「鉄道会社さんにとっては忘れ物の有効利用になるほか、たとえば近鉄さんから提供された傘は関西で、東急さんから提供された傘は関東で優先的に使っています。各社からは『直接持ち主にお返しできなかったものを、間接的に還元できている』という点を喜んでいただいています」(ダイドードリンコ)

 忘れ物の有効活用やサービス向上につながる傘の無料貸し出し、今後も様々な展開があるかもしれません。

【了】

この記事の画像をもっと見る(4枚)

画像ギャラリー

  • Thumbnail 190610 kasa 04
  • Thumbnail 190610 kasa 01
  • Thumbnail 190610 kasa 02
  • Thumbnail 190610 kasa 03

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 昨年迄中国(上海)に赴任していました。
    上海では、2年位前から駅の改札の近くに無料の貸し傘の機械が置かれてました。
    ただし、無料と言ってもスマホでQRコードを読み取り、電話番号でユーザー登録し、デポジットを電子マネー(Alipay,WeChat Pay)で支払って借りるものです。
     デポジットを払うのでお金を持ってないと借りれませんが、返却後デポジットの返金手続きを取ればお金は戻って来るので費用は掛かりません。
    日本でも、デポジットを取れば傘を返すしかなくなると思いますね。