持ち逃げは不可避か 駅やバスの無料貸し出し傘、返却率で明暗わかれる

「返却率76%」要因は?

 忘れ物の有効活用を目的として、新たに傘の無料貸し出しサービスに乗り出し、傘がしっかり返却されているケースもあります。

 仙台市交通局では、2015年10月から市営地下鉄の一部駅で傘の無料貸し出しを開始し、2016年4月には全30駅に拡大しました。

「2018年の返却率は76%といったところで、他都市に比べても高いといわれます。貸し出し実績は年4200本ですので、ある程度、サービスとして定着しているでしょう」(仙台市交通局)

 仙台市のサービスの特徴としては、駅構内に傘立てを設けず、駅窓口で申し出てもらう方式を採っていることが挙げられます。雨の日には、窓口付近に傘を貸し出している旨のお知らせを掲出しているそうです。

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新潟市内の路線バス「萬代橋ライン」車内で実施されている傘の無料貸し出しサービス(画像:新潟交通)。

 新潟交通では新潟市内の中心部と南西部を結ぶバス路線「萬代橋ライン」の車内で、2018年6月から忘れ物の傘を再利用する形での無料貸し出しサービスを始めました。

 導入前は返却率の高さは期待しておらず、短命に終わると思っていたそうですが、ふたを開けてみると、「意外と返却いただいています」とのこと。梅雨の時期はもちろん、雪が降る冬季にも傘がよく利用され、また返却されたそうです。こちらは傘立てを設置していますが、その場所は車内の最前列で、借りる際も返す際も、運転手の対面で行われます(返却は新潟交通のどのバスでも運転手に申し出ることで可能)。

 このような「人の目」がなくても、高い返却率を維持しているサービスもあります。ダイドードリンコが2015年から、街なかにある飲料の自動販売機に傘立てを据え付けて行っている「レンタルアンブレラ」です。2016年に関西エリアで7割の返却率を確認したことから、他地域にも導入し、2019年6月現在、18都道府県まで拡大しています。

 社会貢献とともに、「自販機に親しんでもらいたい」という思いから始めたというこのサービス、ダイドードリンコによると「返してもらえる」秘訣は大きくふたつあるといいます。

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コメント

1件のコメント

  1. 昨年迄中国(上海)に赴任していました。
    上海では、2年位前から駅の改札の近くに無料の貸し傘の機械が置かれてました。
    ただし、無料と言ってもスマホでQRコードを読み取り、電話番号でユーザー登録し、デポジットを電子マネー(Alipay,WeChat Pay)で支払って借りるものです。
     デポジットを払うのでお金を持ってないと借りれませんが、返却後デポジットの返金手続きを取ればお金は戻って来るので費用は掛かりません。
    日本でも、デポジットを取れば傘を返すしかなくなると思いますね。