「新幹線の父」十河信二を知っているか なぜか四国伊予西条にいる0系そこにあるドラマ

愛媛県伊予西条市は、東海道新幹線計画を推進した第4代国鉄総裁、十河信二ゆかりの地です。十河信二の記念館と、彼の蔵書を収蔵した西条図書館を訪ねました。新幹線計画に関する貴重な資料がありました。

政界の重鎮が十河信二と新幹線を応援

 いま、こんなことがバレたら国会は紛糾、内閣総辞職まで持って行かれそうな事案です。事実、反対する議員はたくさんいたようです。十河の国鉄総裁の2期目続投を阻止する動きもありました。しかし、政界のフィクサーの鶴の一声で反対派を黙らせ、十河は続投、新幹線建設は続けられました。鶴の一声を発した人物、それは十河が国政を託した人物、吉田 茂でした。

 さらに援軍が現れます。当時の大蔵大臣で鉄道省出身の佐藤栄作です。佐藤は十河に「世界銀行からの資金調達」を助言します。「新幹線は長期にわたる事案だ。政権が変わるたびに是非が問われ、予算が増減されるようでは進まない。世界銀行から調達すれば、新幹線建設は世界との約束になる。政権に左右されない」

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十河信二に贈られた勲一等瑞宝章。長年の鉄道への貢献が認められた(2019年11月、杉山淳一撮影)。

 こうして新幹線の建設は進められました。しかし、2期目の終盤になって、建設費の不足が明らかになります。しかし、世界銀行から借り、完成も見えた新幹線工事は止められません。国会は新幹線に人質を取られたかのように予算を差し出しました。その一方で、国鉄は大幅な赤字を計上します。そのようななか、1962(昭和37)年に三河島事故が発生。十河は引責辞任こそしなかったものの、3期目は就任できませんでした。この時、十河と運命をともにしてきた島も辞任しました。

 1964(昭和39)年10月1日、ついに東京~新大阪間で東海道新幹線が開通します。しかし、テープカットの場に十河と島の姿はありませんでした。出発式に招待もされなかったようです。

【写真】もうひとつの0系新幹線

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