東武伊勢崎線はなぜ浅草がターミナル駅? 上野まであとわずか その歴史的背景をたどる

なぜ東武浅草駅は急カーブなのか

 その駅用地は、すぐ近くの隅田川に並行する細長いものでした。吾妻橋駅を出て隅田川を渡った後、90度急カーブして浅草駅に入ることになります。しかも東武グループの総帥 根津嘉一郎が、申請書の提出後に、「何としても浅草にふさわしい立派な駅ビルを建設せよ」と言い出しました。

 そうしたこともあり、橋のたもとから駅ビルのなかへ半径100mという、とてつもない急カーブを設けざるをえなくなりました。両渡り分岐器(隣の線路へ渡るポイント)を、当時としては異例の隅田川橋梁の上に設けるなど、技術陣も知恵を絞ります。

Large 200413 asakusa 04

拡大画像

東武浅草駅ホーム。急カーブ地点には、ホームと電車のあいだに渡り板がかけられている(2009年、内田宗治撮影)。

 急カーブの様子は、現在でも浅草駅を訪れるとよく分かります。ホームによっては先端付近からこの急カーブは始まっていて、車両とホームのあいだが著しく開いてしまっています。危険なので列車先頭(北千住寄り)2両のドアは開閉しない箇所があったり、特急電車では先頭付近ホームと車両の乗降口のあいだに、持運び式の渡り板を置いて対応したりしています。電車はこの急カーブを、車輪の音をきしませながら15km/hで走行しています。

 伝統的な店が多い浅草には、駅にも様々なドラマがありました。

【了】

※一部修正しました(4月20日16時20分)。

【画像】浅草駅の90度カーブをゆっくり進む特急

Writer: 内田宗治(フリーライター)

フリーライター。地形散歩ライター。実業之日本社で旅行ガイドシリーズの編集長などを経てフリーに。散歩、鉄道、インバウンド、自然災害などのテーマで主に執筆。著書に『関東大震災と鉄道』(新潮社)、『地形で解ける!東京の街の秘密50』(実業之日本社)、『外国人が見た日本 「誤解」と「再発見」の観光150年史』(中公新書)』ほか多数。

最新記事

道路交通情報(外部サイト)

  • 「最新の交通情報はありません」

コメント

3件のコメント

  1. スマホ用サイトで広告が多すぎて、記事が見える範囲が狭すぎてうざい、みずらい、重い、見る気をなくす。
    最初のページも続きを見るがずらされていらいらする、公告が多すぎてどれが記事かわからない

    • 同感。特に[続きを見る]に関しては。

    • 有料会員で苦情を言うならいざ知らず無料状態で広告で記事が読みづらいと言うのは筋違いではないですか?
      ライターや関係者のみなさんはボランティアではありません。
      広告主はあなたの代わりにみなさんの報酬を払ってます。