首都圏通勤電車スピードランキング 南西部方面 発揮された小田急線 複々線の効果
ラッシュ時、遠距離輸送に強くなる「通勤特快」
では10km圏から見ていきましょう。1位は小田急線で46.4km/h、2位はJR中央線と地下鉄千代田線(小田急線直通)が41.2km/hと同率で並んでいます。一方、東急田園都市線は31.3km/hで6位、京王線は29.7km/hで7位と、4位の東西線や5位のJR中央・総武緩行線よりも表定速度が遅い結果になっています。これは、種別が準急や急行であっても、10km圏だと停車駅が多いためと考えられます。
20km圏ではどうでしょうか。1位は中央線で、48.7km/hと一気に伸びています。これは、区間が延びたことで「通勤特快」が入ったためです。この通勤快速は、国分寺駅を発車すると、新宿駅までの21.1kmをノンストップで走る列車です。
2位の小田急線も46.1km/hで、大きな差は開いていません。本数で考えると、今回調査した朝7時50分から8時30分までに、新宿駅へ到着する列車で見ても、中央線の通勤特快は1本しかありませんが、小田急線の「快速急行」は9本もあります。このほか小田急線には、同じ区間を2分差の30分で走る「通勤急行」も4本あり、当該時間の列車の全体平均で考えると小田急線のほうが速いといえるかもしれません。一方の京王線は4位で35.5km/h、田園都市線は32.1km/hで5位となっています。
ネット記事では時々10時到着の列車まで入れた通勤時間帯のランキングが見られるが、それよりもはるかに実態に即した良い時間帯の選択であった。
ところで、これらの距離は路線沿いの道のりかと思われるが、西国分寺6:52発の武蔵野線は東京駅まで平均49.3km/hとなってしまいランクインしてしまう。
利用者は途中経路がなんであれ目的地につけばよいので、主要都市との直線距離で比較するような指標を確立できないだろうか。
取り上げた路線一覧にも書いてあるように、本スピードランキングは首都圏南西部のものであり、タイトルも首都圏南西部通勤電車スピードランキングにした方が良いと思います。
もちろん該当路線になる人には気になるでしょうが、北部、東部の人からしたら、タイトルがやや詐欺と捉えられかねません。
ご検討ください。