首都圏通勤電車スピードランキング 南西部方面 発揮された小田急線 複々線の効果
表定速度でも12km/h速くなった複々線の効果
京王線と田園都市線は、日中こそ特急や急行といった速達列車が設定されていますが、ラッシュ時はその設定がなかったり、列車本数の多さから、本来のスピードを出せない面もあったりするかもしれません。一方の小田急線は、2018年3月に登戸~代々木上原間の複々線化を完了し、たとえば30km圏の町田~新宿間で最大12分の高速化を実現しています。これは表定速度にすると、約12km/hのスピードアップです。
こうして見ると、杉並区など首都圏西部では中央線が、世田谷区など首都圏南西部では小田急線の速さが際立つ結果となりました。特に小田急線は、京王線や田園都市線沿線とも一部エリアが重複するため、早く都心に出るための選択肢に、小田急線を入れられるかもしれません。
今回調査した路線は、ベッドタウンとしての要素が強いエリアを通ります。本数や遅延混雑率のほか、表定速度も住む場所を選ぶひとつの指標になればと考えます。
【了】
Writer: 河嶌太郎(ジャーナリスト)
1984年生まれ。千葉県市川市出身。『週刊朝日』『AERA』などの雑誌のほか、「Yahoo!ニュース個人」「AERA dot.」「DANRO」「ITmedia」などのウェブで執筆。アニメを用いた地域振興からゲーム、IT、鉄道など幅広い分野を扱う。国内の鉄道路線の乗り潰しが趣味だが、災害による不通路線を残したまま数年が経過中。
ネット記事では時々10時到着の列車まで入れた通勤時間帯のランキングが見られるが、それよりもはるかに実態に即した良い時間帯の選択であった。
ところで、これらの距離は路線沿いの道のりかと思われるが、西国分寺6:52発の武蔵野線は東京駅まで平均49.3km/hとなってしまいランクインしてしまう。
利用者は途中経路がなんであれ目的地につけばよいので、主要都市との直線距離で比較するような指標を確立できないだろうか。
取り上げた路線一覧にも書いてあるように、本スピードランキングは首都圏南西部のものであり、タイトルも首都圏南西部通勤電車スピードランキングにした方が良いと思います。
もちろん該当路線になる人には気になるでしょうが、北部、東部の人からしたら、タイトルがやや詐欺と捉えられかねません。
ご検討ください。