空自の次世代戦闘機エンジンはロールス・ロイスか? 日英共同開発が現実味 メリットは
自動車メーカーではございません! ロールス・ロイスのいま
次期戦闘機のエンジンについて共同開発に参加する可能性が浮上したロールス・ロイスは元々、2つの会社がひとつになって生まれた企業です。自動車の輸入代理を主業とするC.Sロールス社と、電気器具メーカーとして創業したものの、自動車の開発にも進出していたロイス(ロイズ)社が1906(明治39)年に合併、誕生しました。
ロールス・ロイスは大正天皇の御料車としても採用された「シルヴァーゴースト」など、数々の高級車を世に送り出しており、日本でも高級車メーカーとしてのイメージが強いのではないでしょうか。しかし、次期戦闘機のエンジンの共同開発のパートナーとして浮上してきたロールス・ロイス、正式名称ロールス・ロイス・ホールディングスは、2021年現在、自動車の製造を行っていません。
1906(明治39)年に設立されたロールス・ロイスは、1971(昭和46)年に経営が破綻して国有化されました。これに伴い、イギリス政府は1973(昭和48)年にロールス・ロイスの自動車部門をヴィッカースに売却し、ロールス・ロイス・モーターズとして民営化したのです。しかし、ヴィッカースも経営が悪化したことから、ロールス・ロイス・モーターズはドイツのフォルクス・ワーゲンに売却されました。
その一方で自動車を含めたロールス・ロイスのブランドやロゴマークなどは、1987(昭和62)年に民営化されたロールス・ロイス・ホールディングスが所有しており、同社はやはりドイツのBMWにその権利を譲渡していました。このためしばらくの間、ロールス・ロイス車の生産基盤はフォルクス・ワーゲン、ブランドやロゴマークなどはBMWが所有するという、ねじれ状態が続いたのです。
フォルクス・ワーゲンとBMWは話し合いの結果、2003(平成13)年からBMWがロールス・ロイスブランドでの自動車の製造と販売を行う新会社ロールス・ロイス・モーターカーズを設立することで合意。これにより、ロールス・ロイスブランドの自動車は現在、BMWの子会社である同社によって行われています。
GEも船舶用ガスタービンエンジンを開発したらしいじゃないですか