白いロマンスカー「VSE」はなぜ生まれたか 17年で活躍に幕 伝統の赤からの転換点を探る

小田急電鉄の特急ロマンスカー「VSE」が引退しました。ロマンスカーといえば赤い車体がトレードマークでしたが、「VSE」はそれを一新する真っ白なそれでした。人気を博したとはいえ、なぜ色遣いが変わったのでしょうか。

復活させた「展望席」と「連接台車」

「VSE」が登場する前、小田急の最新型ロマンスカーは1996(平成8)年登場の「EXE」こと30000形でした。「EXE」はロマンスカーの伝統だった展望席がなく、観光特急のほか日常の通勤輸送もこなせる汎用的な車両です。展望席を備えたロマンスカーは当時、7000形「LSE」と10000形「HiSE」が現役でしたが、いずれも20~10年前の車両でした。

 この頃、ロマンスカーに強力なライバルが現れていました。2001(平成13)年に登場したJR線の湘南新宿ラインです。新宿~東海道線方面を直通し、特急料金も不要。以降、ロマンスカーで箱根へ向かう利用客は低迷していきました。

 小田急は事態を改善すべく、次世代を担うロマンスカー車両を開発します。「VSE」です。伝統でもあった展望席と、ふたつの車体の間にひとつの台車を設けた連接台車を「HiSE」以来約20年ぶりに復活。乗り心地向上を図ったほか、高いドーム型の天井や眺望を楽しめる連続窓の採用など、車内の居住性も重視されました。

 カラーリングの一新はイメージ戦略といえるでしょう。「箱根路特急」の低迷期を経験した中において、「今までなかった真っ白いロマンスカーで箱根へ行く」という体験は斬新そのものです。もっとも、赤(バーミリオン・オレンジ)をベースとした帯を窓下に施すなど、ロマンスカーの伝統もしっかり継承されています。

【ロマンスカー夢の共演】最古「SE」と最新「GSE」の並び写真

【鉄道特集】往年の名車、活躍中のエース どんな車両? 国鉄時代の思い出も

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