競合?共存? 西武「拝島ライナー」vs JR特急「おうめ」 どう棲み分けられているのか

実際に利用してみると…

「拝島ライナー」「おうめ」ともそれぞれに優位性があることは分かりましたが、実際に利用してみるとどうでしょうか。今回、新宿を起点に発車時間帯が近い平日の「拝島ライナー3号」と「おうめ1号」を比べてみました。

「拝島ライナー3号」は18時15分に西武新宿駅を発車。この段階では、座席が3~4割埋まる程度でしたが、次の高田馬場駅でほぼ満席となりました。次は小平駅に停車。ここでは本川越行きと接続したものの、若干名の降車以上の乗車があり、さらに混雑します。「拝島ライナー」は、拝島線内では乗車券のみで乗れるのです。

 その後は小川駅、東大和市駅で大勢の降車があり、拝島駅へは始発時の3割程度の乗車率で到着しました。

JRの特急「おうめ」はどうか

「おうめ1号」は新宿駅を6~7割くらいの乗車率で発車。時刻は18時45分です。次の立川駅でまとまった数の乗客が下り、拝島駅へは4~5割ほどの乗車率でした。拝島駅でも降車客は多く、ここからさらに河辺・青梅の各駅へ向かう乗客は各車両数人でした。降車客の数から推測すると、ささやかながら新宿~拝島で、西武鉄道とJR東日本の競合関係は発生しているようです。

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拝島駅到着間際の「拝島ライナー」10号車車内。座席は3割程度埋まっていた。乗車した列車では小川・東大和市の各駅での降車が多かった(2022年7月、児山 計撮影)。

 とはいえ「おうめ1号」の場合、拝島駅では19時39分発の八高線川越行きに、19時32分発の五日市線武蔵五日市行きにそれぞれ接続しており、両線沿線の利用客も少なからずいることが推測できます。

「拝島ライナー」と「おうめ」は新宿~拝島間の競合関係もさることながら、「拝島ライナー」はその手前、小川~武蔵砂川間の利用、「おうめ」は拝島駅を中心として箱根ケ崎や武蔵五日市といった周辺都市への速達列車という側面も大きいようです。両社の列車は終点、または通過点こそ拝島ですが、その拠点以外にもさまざまな目的での利用がなされている列車といえるでしょう。

【了】

【競合「おうめ」の利用者は?】拝島駅を発車する頃

Writer: 児山 計(鉄道ライター)

出版社勤務を経てフリーのライター、編集者に。教育・ゲーム・趣味などの執筆を経て、現在は鉄道・模型・玩具系の記事を中心に執筆。鉄道は車両のメカニズムと座席が興味の中心。座席に座る前に巻尺を当てて寸法をとるのが習慣。言うなれば「メカ&座席鉄」。

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