1兆円追加で「5兆円」 老朽化する高速道路の“更新事業”なぜ費用膨らむ? NEXCO
1兆円で収まらない可能性大!?
今回、選定された更新箇所は損傷原因や対策も様々ですが、同じような構造で変状・損傷が確認されている箇所をピックアップしているといいます。事業化まで、さらに詳細な区間や対策方針を詰めていくといいます。
ちなみに、現在進んでいる更新事業費の約4兆円は、当初、約3兆円とアナウンスされましたが、事業化までのあいだに労務費や物価が上昇し、更新事業に伴う渋滞対策も盛り込んだ結果、4兆円になったといいます。今回の約1兆円も、事業化までの精査で費用が前後する可能性があるといいます。
折しも、国土交通省が高速道路の無料化を2115年まで先延ばしする方針を固め、記者からは道路公団民営化時の無料化へのスキームはますます非現実的なものになっている、民営化時点で耐用年数や更新の必要性などはなぜ考えられなかったのか、といった指摘も出ました。
「かつては、通常の維持管理を行っていけば50年以上使える認識がありました。しかし実際に50年経過してみると、いろいろ不具合がでてきました。高速道路の使われ方は一般道と異なり、(道路へのダメージが大きい)大型車の割合が多く、安全のために凍結防止剤を多く撒いている(塩害の原因)など、構造物にとってダメージを受けやすいことがわかってきました」(NEXCO東日本 管理事業本部長 八木茂樹さん)
一方、最近の構造物は100年使用を想定してつくられているとのこと。更新事業は永続的に高速道路の健全性を確保するために必要であると訴えました。
直近では、首都高速道路も新たに約3000億円、阪神高速道路も約2000億円の規模で、それぞれ追加の更新計画を発表しています。高速道路の老朽化対策は今後さらに本格化していくようです。
【了】
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