ややこしい行先「川越&川越市」 駅名で“市”の有無はなぜ生まれるのか

名称を譲って「市駅」になった例も

 ふたつめは、「○○駅」の名を譲って「○○市駅」になったというケース。その代表例が冒頭の「松山/松山市」駅です。

 伊予鉄道のターミナルである松山市駅は当初、「松山」を名乗っていました。愛媛県は早くから私鉄が路線網を築いていた一方、国鉄線の開業が遅く、松山駅の開業から約40年後に国鉄の駅ができています。この際、国が伊予鉄に対し松山の名を譲るよう要請し、伊予鉄は反対したものの、結局は譲歩して松山市に改称したのです。

Large 220604 kakky 02

拡大画像

伊予鉄の松山市駅はもともと「松山」駅だった(画像:写真AC)。

 では相鉄線で見られるようになった「川越/川越市」はどうでしょうか。そもそも市内にはJR川越線と東武東上線の川越駅、東武東上線の川越市駅、西武新宿線の本川越駅がありますが、このなかで最初に開業した本川越駅が、もともと川越を名乗っていました。続いて川越町(現・川越市)駅、さらに川越西町(現・川越)駅が開業しますが、その後 国鉄線が川越西町駅に接続すると川越に改称し、もともとの川越駅は駅名を譲る形で本川越へ改称したのです。

 相鉄線から川越駅へ行く場合は、JR直通線と東急直通線どちらを利用しても到達できます。川越市駅は東上線で川越駅のひとつ先なので、もしJR直通線に乗ってしまっても終点で乗り換えれば済みます。

【了】

【地図】川越駅と市駅はどのくらい離れている?

テーマ特集「【特集】読めるか!な難読駅 日本一長い/短い駅名… なぜその駅名になったのか」へ

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

6件のコメント

  1. こういう利用者が誤認するような紛らわしいJARO案件の名称にする鉄道会社はペナルティとして100年間運賃改定を禁止する法律を制定してしまえばよろしい。

    • 基本的に法律は「不遡及の原則」というのがあって、制定された以前の事柄にさかのぼっては適用されない。
      だからこれから法律作っても何の意味も無いんだよ。
      ついでにいえばジャロは「日本広告審査機構」。
      広告以外の団体名だの施設名だのには何の関係も無い。
      勉強しろ中学生

    • まあそれは誇張だろうけど、判り難いよりゃ分り易い方が絶対良いじゃない。
      法律がどうだろうとコメ主はそっちを問題にしてる訳で、一々横槍入れるとは流石はお暇な中退君だ。

  2. 駅名設定当時はこんな事態を迎えるなど誰も想像できなかったに違いないが、かと言って駅名改称はどちらか一方だけにしても多額の費用がかかるしその費用対効果は低い。
    やるとすれば、駅名と経由を交互に表示するのが現実的では。(例えば川越→埼京線経由、川越市→東上線経由)

    それより、
    >相鉄線から川越駅へ行く場合は、JR直通線と東急直通線どちらを利用しても到達できます。川越市駅は東上線で川越駅のひとつ先なので、もしJR直通線に乗ってしまっても終点で乗り換えれば済みます。
    それはそうだが、経由を間違えた時の運賃精算はどうするの?
    一昔前ならともかく、川越の観光地化が進んでいる今はこのケースが多発する可能性が高い。

    • >それはそうだが、経由を間違えた時の運賃精算はどうするの?
      そんなの新たに川越駅-川越市駅間の一駅分の運賃が取られるだけで新横浜線経由より高くなるだけ。なに?経由間違えたから一駅分の運賃なかったことにしてくれと?そんなの通用するわけなかろう。

  3. 地元が困っていなけれゃどうでもいい話。困っていたら以前に地元が解決しただろう。たまたま複数の鉄道と直通して外野から見えるようになってしまったから困惑しているように言っているだけ。困るのであれば地理の勉強でもしてくれ。