「俺の飛行機 エンジンは“スズキ”」 日本車エンジンの転用が米で大人気になったワケ “参入ぜひ!”

日本では馴染みない自作飛行機。アメリカではそれらも自家用機として登録できますが、その分野で人気のエンジンとなっているのが日本車のものだとか。自動車用エンジンを基にした航空エンジンの現状を取材してきました。

高性能・高信頼性・低価格な日本車エンジン

 ロータックス社は、1989年に80馬力エンジンで初めて航空エンジンに参入しました。当初は型式認証がなくても使用できるホームビルト機や超軽量機向けに供給されていましたが、1995年にFAA(米国連邦航空局)の認証を取得し、小型機全般に供給されるようになっています。

 ロータックス社のエンジンの特徴は、高回転数で減速ギヤを介してプロペラを駆動すること、シリンダーが空冷でシリンダーヘッドが液冷であること、そして、航空ガソリン以外に自動車用ガソリンも使用できたことなどです。

 また、従来のエンジンと比べて小型軽量で低燃費を実現しています。その後、ロータックス社は100馬力エンジンも販売を開始。これらで、みるみる市場を席巻するようになり、2人乗りの小型機においてはアメリカ製エンジンをほぼ駆逐してしまうほど普及しました。

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典型的な従来型の航空エンジン、ライカミング「IO360」。1955年から生産されている180馬力のO360を燃料噴射式に改めたもので、1960年代から現在に至るまで生産されている。最大出力は210馬力。4人乗りの小型機に多用されてきた(細谷泰正撮影)。

 こうしたロータックス社の努力によって、小型機向けのエンジン性能は向上したものの、価格は高いままでした。100馬力エンジンで価格は一基およそ500万円です。今年(2023年)に登場した160馬力の最新型はおよそ700万円もします。

 この価格に納得いかないアメリカの小型機愛好家が目を付けたのが日本製自動車エンジンでした。高性能かつ高い信頼性を持ちながら、価格はリーズナブル。部品は世界中で流通しています。航空エンジンとしての認証こそありませんが、冒頭に記したような特例から、ホームビルト機には使用することが可能です。

 こうしてアメリカでは、日本車のエンジンを改造して飛行機に搭載することが20年以上前から行われてきました。これに伴い、最初は減速ギヤユニットなどの改造キットを供給する会社が現れ、今では新品の日本車エンジンを使用して、そこに減速ギヤなどを取り付け航空エンジンとして販売する会社が何社か存在するほどに至っています。

【スズキ、三菱、ホンダ…】ロータリーや水平対向も 自動車用を改造した飛行機用エンジン

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