行きと帰りで料金が違う!? 「外環道の現金利用」料金設定がかなり変則的なワケ 圧倒的に不利な「内回り」

走行する方向によって徴収額が違う!? 外環道の「現金利用」

 外環道の外回り(高谷JCT方面)は、川口中央IC~高谷JCT間の各入口料金所から利用する場合、たとえば川口JCTからは普通車で1020円、松戸ICからは490円といったように、それぞれの入口からの料金が設定されており、「一律で普通車1040円」とはなりません。普通車1040円の適用範囲は16.6km(大泉~川口中央)です。

 反対に内回り(大泉JCT方面)は、高谷JCTから戸田西ICまでの各入口を利用する場合に「一律で普通車1040円」かかります。しかし和光北ICと和光ICから利用する場合だけは、「520円」という設定です。普通車1040円の適用範囲は41.6km(高谷~戸田西)と、外回りに比べ圧倒的に長く、バランスを欠くように思えます。

 まず、「普通車1040円」というのは、首都高と同じく「上限料金」が適用されています。実際の対距離料金だと、大泉JCTから高谷JCTまで走行したら、もっと高くなるところを、1040円で抑えています。このため、外回りの川口JCT以西から高谷JCTまで走行した場合は一律1040円となっていますが、川口JCT以東からは高谷JCTまでそれぞれの距離料金が適用されています。

 ではなぜ、内回りは高谷JCTから戸田西ICまでの各入口で一律に上限料金を払わなければならないのか――NEXCO東日本関東支社によると、これは戸田西IC~和光北IC間にある「新倉PA」(埼玉県和光市)でUターンした場合が考慮されているからです。

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新倉PA。上下線から利用でき、Uターンが可能(ドライブレコーダー)。

 新倉PAは本線の直下にある上下線集約型のPAで、Uターンすることが可能です。仮に戸田西ICから入って新倉PAですぐUターンし、高谷JCTまで走っても、出口で料金を徴収しないため、あらかじめ1040円を徴収しているわけです。ちなみにETCの料金でも、新倉PAでUターンしない場合とした場合が、それぞれ設定されています。

 そして、内回りで新倉PAを過ぎた和光北IC、和光ICから大泉までの「普通車520円」という料金について、NEXCO東日本関東支社は次のように説明します。

「大泉JCT以南の延伸計画がありますので、将来を見据えた激変緩和措置として対距離制料金導入以前の料金510円(現在は消費税率10%で520円)に据え置いているものです」

 2015年に対距離制料金が導入される以前の外環道は、内回りならば三郷から乗っても、和光から乗っても、均一料金で普通車510円でした。この料金を適用しているということです。

 このように非ETCでの料金は、外環道の構造的な特徴も反映されています。このため、たとえば常磐道~東関東道のあいだで外環道を現金利用した場合、行きと帰りで料金が異なります。外環道を使わないルート選択も可能なので、事前に検索したほうがよいかもしれません。

【了】

【え…】内・外回りで全然違う! 外環道で「現金1040円」の範囲(地図)

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