青森が世界屈指の場所に!? 米軍ステルス戦闘機各タイプ日本に集結! 米以外では唯一か

青森・三沢がステルス戦闘機の一大拠点に

 三沢基地には現在、F-16C/D戦闘機が配備されていますが、F-16もまた老朽化が進んでいます。そこで、F-16の後継としてF-35A「ライトニングII」が配備されることが決まっています。

 三沢基地のF-16部隊は、「ワイルドウィーゼル」と呼ばれる任務をメインに据えています。「ワイルドウィーゼル」とは、敵の地対空ミサイルを制圧することを意味します。F-35は、そのステルス性と情報収集能力の高さから、F-16を上回る地対空ミサイル制圧能力を有していると考えられ、機種変更によってその能力が失われることはないでしょう。

 F-35Aは36機が配備予定ですが、日米共同使用である同基地には、すでに航空自衛隊のF-35A 20機も配備されています。これと合わせると、三沢基地は世界的に見てもF-35を最も多く配備する基地のひとつになるのは間違いないでしょう。また地理的に中国に近い嘉手納基地と違い、三沢基地は比較的距離があるため攻撃を受けにくいことや、戦闘機を防護する「掩体」が多いといった観点から、F-15EXよりも重要なF-35Aを護るのには適した場所になっていると言えます。

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アメリカ空軍のF-15EX「イーグルII」。一見すると従来のF-15C/D「イーグル」と変わらないが、性能は一新されている(画像:アメリカ海軍)。

 岩国基地は、アメリカ海軍第5空母航空団の前方展開基地であり、間もなく来日が予定されている航空母艦「ジョージ・ワシントン」の艦載機が駐留します。現在配備されているのはF/A-18E/F「スーパーホーネット」約50機ですが、このうち12機がF-35C「ライトニングII」に交代する予定です。

 ちなみに、岩国基地には海兵隊も駐留しており、こちらには垂直離着陸可能なF-35Bがすでに配備されています。

 日本は、アメリカ本土以外では世界で唯一、通常離着陸型のF-35A、短距離離陸垂直着陸型のF-35B、空母艦載型F-35C、これら3タイプのF-35が配備される世界的に見ても稀有な国になります。さらに、これまでと同様、アメリカ本土からF-22「ラプター」が嘉手納基地へ頻繁に臨時展開するのは間違いありません。

 これら最新鋭の戦闘機が日本に配備されることにより、我が国は「戦闘機のステルス化」が最も進んだ地域となり、東アジア地域での抑止力強化に大きく貢献することが期待されています。

【了】

※誤字を修正しました(7月26日10時30分)。

【中国に対抗する目的か?】これが仮想敵部隊の「異色」F-35戦闘機です(写真)

Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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