タカタンタンタン、パァ~~~ン!「音がヤバすぎる名車」中古価格もヤバすぎる!? これぞ“軽くて速い2スト”RZ250

1980年代「レーサーレプリカ」ブームの火付け役となったバイクがヤマハ「RZ250」です。“2スト”バイク受難の時代を、高性能エンジンと軽量設計で跳ね返した功績は、今では考えられない「甲高い音」と「真っ白な煙」とともに、人々の記憶に強く残っています。

音がヤバい!

 もちろん、RZ250は性能も優れていました。搭載された2ストローク・並列2気筒・250ccエンジンは、市販ロードレーサーである「TZ250」のエンジン設計を基に開発され、最高出力35ps、最大トルク3.0kgf・mという、当時クラス最強のスペックを発揮していました。

 また、車体各部に樹脂パーツなどを多用することで、乾燥重量139kgという超ライトウェイトを実現。乗車時のバンク角もレーサーモデル並みの50度を確保し、軽快な身のこなしを可能としていました。

 RZ250は、ライダー達がヤマハのバイクに抱いていた「速くて軽い」というイメージを全面に打ち出しており、2ストローク受難の時代の「最後のスポーツモデル」として、まさにふさわしい出来栄えとなっていました。

 ところが、RZ250は発売されるや否や大ヒットを記録し、2スト時代に別れを告げるどころか、その逆風を跳ね返してしまいました。レーサーレプリカブームの火付け役となり、下火となっていた2ストの中型スポーツモデルの人気復活にも寄与することになったのです。

※ ※ ※

 RZ250は初代のヒット以降、フルモデルチェンジやマイナーチェンジを何度か繰り返したものの、1988年モデルを最後に生産終了となりました。8年という生産期間は決して長いものとは言えませんが、今もその伝説や思い出が多くのユーザーに語り継がれています。やはりRZ250は「日本のバイクシーンを一変させた1台」なのです。

 いま、このモデルは「排気音が美しい」バイクとして知られ、Youtubeなどの動画配信サイトでも多くの動画がアップされています。「タカタンタンタン、パァ~~~ン!」という、2ストならではの甲高く、か細くて騒がしい音は、これまた2スト特有の真っ白な排煙とともに、今でもファンを惹きつけているようです。

 ちなみに、中古車市場でRZ250は今なお人気のモデルで、個体によっては300万円を超えることも珍しくありません。

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Writer:

1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。

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