F-15追加配備で那覇空港はどうなる? 「影響皆無」のための工夫とは

那覇空港と航空自衛隊の那覇基地は、1本の滑走路を共有しています。2016年1月、第9航空団の新編により那覇基地の飛行隊は2個へ倍増しましたが、そこには同時に、民間機への影響を最小限にとどめようとする現場の工夫があるようです。

スクランブル急増の那覇基地、しかし滑走路は…

 近年、日本の領空に接近する外国機が急増しています。2014年度、航空自衛隊は冷戦終結後で最多となった943回におよぶ戦闘機のスクランブル(緊急発進)を行っており、この10年のあいだで実に7倍に増加しました。

 その主な理由は、南西諸島周辺空域における中国軍の活発化であり、全体のスクランブルのおよそ半数にあたる468回は、那覇基地(沖縄県)に所在する第83航空隊隷下の第204飛行隊(F-15戦闘機)によるものでした。また、2015年度の那覇基地のスクランブル回数は531回と、現在も増加の傾向が続いています。

 こうした状況をかんがみ、政府は南西地域の防空態勢強化を決定。既存の第204飛行隊に加えて新たに築城基地(福岡県)から第304飛行隊(F-15部隊)を移転し、2個飛行隊化。F-15およそ40機体制としたうえで、2016年1月31日に「第9航空団」を新編しました。

Large 160920 airportjam 01
空自機と民間機が1本の滑走路を共有する那覇空港では、こうした光景も日常茶飯事(関 賢太郎撮影)。

 この那覇基地は戦闘機のほかにも、陸海空自衛隊の航空部隊が配備されている日本の防衛最前線ですが、基地に隣接する那覇空港と1本の滑走路を共有しています。那覇空港の民間機発着回数は年間およそ15万回、滑走路1本あたりでは日本一の大空港です。ほとんどひっきりなしに航空機が発着するところへ、「第9航空団」新編にともない飛行隊が倍増したことによって、民間機の運航に支障が出るのではないかと懸念の声も聞こえます。

テーマ特集「【ミリタリー】「防衛最前線」 航空自衛隊・那覇基地」へ

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

2件のコメント

  1. 「離発着」という日本語はありません。
    このライターさん、日本語が不自由なのですか?

  2. 「那覇空港の民間機発着回数は年間およそ15万回、滑走路1本あたりでは日本一の大空港です。」という表現は誤りと思います。
    大空港という表現ならば軍用機の発着回数は入れてはおかしいと思います。
    福岡空港の民間機発着回数は年間およそ17万回、滑走路1本あたりでは日本一です。民間機発着回数では那覇空港の15万回より福岡空港が多いです。
    自衛隊では空港という表現はしません。飛行場または航空基地です。
    「民間機発着回数」「15万回」「滑走路1本あたりでは日本一の大空港」と表現するなら、那覇空港が日本一という表現は誤りです。
    航空軍事評論家と名乗る以上、正しい表現を使って下さい。
    前にもおかしい記事がありました