「1996年廃止の線路」を歩く! 静岡“最奥”駅のさらに奥に眠る扉の正体は? 「知られざる魅力」の解説に参加者も納得
大井川鐵道の名物広報と巡る「応援鉄ツアー」が開催されました。初日は井川線を訪れ、絶景で知られる奥大井湖上駅や廃線跡などを満喫しました。
閉ざされた山の扉、実は…
奥大井湖上駅からは井川線の列車で終点の井川駅へ。そこからかつて井川線が伸びていた線路跡の「廃線小路」を散策します。これはダムや発電所建設に伴う資材輸送に1996(平成8)年まで使われていたもの。現在は当時の線路を活かして遊歩道化されています。廃線とはいえ、堂々と線路の中を歩く機会はなかなかなく、自然と線路内に吸い込まれていきます。
ちなみに井川駅に到着後、山本さんから「道路の向こうの山に扉が閉ざされているところが見えますね。この場所と様子を覚えていてください」とのひと言が。なんだろうと思っていると、廃線小路の始まり付近で振り返り「さっきの扉はかつてのトンネルで、ここまで山を貫いていました」。思わぬ種明かしに参加者たちは一様に驚きと納得の表情。大井川鐵道を知り尽くした案内人だからこその解説も、このツアーの魅力です。
今回、奥大井湖上駅から井川方面への往復が選ばれたのにも理由がありました。山本さんいわく、「奥大井湖上駅は人気が高くたくさんのお客様が千頭から訪れてくれる。しかし、多くの方が奥大井湖上駅までの訪問なので、この先の魅力もぜひ知っていただきたい」ということだったのです。
確かに、この先には河床からの高さ日本一を誇る鉄道橋の関の沢橋梁、静岡県の普通鉄道で最も標高が高い井川駅など、井川線だからこその魅力が詰まっています。周辺に人家やアクセスする道路すらない秘境駅として注目される尾盛駅では、駅の近くにたたずむ野生のシカも目撃。井川線の魅力を改めて実感する旅となりました。
ツアーの楽しみ方も参加者それぞれ。大阪から参加したという夫婦は大井川鐵道を訪れることが念願だったとのこと。ツアー前日は大井川本線を堪能しており、「幼い頃に乗っていた南海電車に乗れて本当に感動しました」と喜びを滲ませていました。
笑顔の絶えないツアーは2日目へと続きます。
Writer: 和田 稔(ライター・カメラマン)
幼少期、祖父に連れられJR越後線を眺める日々を過ごし鉄道好きに。会社員を経て、現在はフリーの鉄道ライターとして活動中。 鉄道誌『J train』(イカロス出版)などに寄稿、機関車・貨物列車を主軸としつつ、信号設備や配線、運行形態などの意味合いも探究する。多数の本とNゲージで部屋が埋め尽くされている。





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