イタリアは「戦車を作らない」と決めた訳ではない? 国産へのこだわりより“現実”を選びつつ野心も見せる意外な理由

ユーロサトリ2026で、イタリアの防衛企業レオナルドとドイツのラインメタルが共同開発する次世代主力戦車「NMBT」が公開されました。単独開発をイタリアが断念した意味とはどういったものなのでしょうか。

KF51をさらに進化させたイタリア仕様

 現代の主力戦車は、単に装甲や火力を競う兵器ではありません。アクティブ防護システム(APS)、AIを活用した情報処理、各種センサーの統合、ドローンとの連携など、多様な機能を一つのシステムとしてまとめ上げる必要があります。そのため、新型戦車をゼロから開発するには莫大な予算と長い開発期間が必要となり、失敗した場合のリスクも年々高まっています。

 また、現役の国産戦車C1アリエテの総生産数は約200両にとどまり、後継となる次世代戦車NMBTについても調達予定数は約130両と比較的小規模です。この程度の生産規模では、新規の車体や動力系を完全に国産開発することは開発費の回収が難しく、経済合理性に乏しいといえます。イタリアがレオパルト2をベースとするラインメタルの技術を活用し、自国製の電子機器や砲塔システムを組み合わせる方式を選択したのは、極めて合理的な判断だったのでしょう。

 イタリアは当初、ドイツのクラウス=マッファイ・ヴェクマンとフランスのネクスターシステムズが立ち上げた合弁会社のKNDSと協力し、ドイツのレオパルト2をベースとした新型戦車の導入・生産を検討していました。しかし、この計画は条件面などで折り合いがつかず、交渉はまとまりませんでした。

 そこで新たなパートナーとして選ばれたのが、ラインメタルの次世代戦車「KF51パンター」です。

 現地で関係者に取材したところ、展示車両はモックアップであり、NMBTはKF51パンターを基礎としながら、新しいシャシと新しい砲塔、より高出力のエンジンを採用した大幅な発展型になると説明されました。

具体的には防御性能の向上に加え、レオナルド製の同軸機銃や新世代オプトロニクス、C5I(指揮・統制・通信・コンピューター・戦闘システム)を採用するなど、電子システムも全面的に刷新されます。

 また、乗員は4人で、車長、砲手、操縦手に加え、ドローンや徘徊型弾薬(ロイタリング・ミュニション)の運用を担当する専門要員を配置する構成です。30km級の射程を持つ新型砲弾への対応も予定されるなど、従来の戦車という枠を超えた戦闘システムを目指していることがうかがえます。

 開発も順調に進んでいるようで、関係者は「2030年より前の就役を目指している」と説明しており、比較的短期間での実用化を視野に入れていることも明らかになりました。

【最新鋭戦車の詳細が明らかに!】これが、イタリアの新車両です(画像)

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