ドイツの次世代戦車計画が3種類も!? 「本命」が乱立する理由とは そもそもフランスとの共同開発どうなる!?
欧州で行われた防衛装備の見本市でドイツ次世代戦車が数多く公開された理由。実は時間の事情が関係しています。
ドイツの次世代戦車が増殖している理由
ドイツ企業による次世代戦車コンセプトが相次いでいる最大の理由は、単なるメーカー同士の競争というより、将来戦車計画「MGCS」の遅れにあります。
MGCSは、ドイツとフランスが共同で進める次世代地上戦闘システムで、将来的にはドイツのレオパルト2やフランスのルクレールを置き換える存在とされています。しかし、各国の要求性能や産業分担などをめぐって調整は簡単ではなく、実用化は2040年代になるとの見方もあります。
問題は、それまでの間をどうするかです。ロシアによるウクライナ侵攻以降、欧州では陸上戦力の重要性が改めて強く意識されるようになりました。ドイツ陸軍にとっても、既存のレオパルト2を改良し続けるだけで、2040年代まで待つという選択は現実的とは言い切れません。そこで2030年代前半に投入できる、いわばMGCSまでの“橋渡し”となる新戦車が必要になっているのです。
MBT Vision 2032は、まさにその空白を埋めるための構想といえます。PSMの社員も「2032年までに完成を目標としている」と説明しており、この計画が実用化までのスケジュールに特に注力していることが分かります。また、「次の20年間の戦車には特別な解決策が必要になる。しかし、同時に早急に実現(配備)しなければならない」とも話しています。
この発言からも分かるように、MBT Vision 2032は遠い未来の夢物語というより、2030年代前半に必要となる現実的な戦車像を示すものなのです。一方、KF51パンターやレオパルト2 A-RC 3.0も、それぞれ異なる技術的アプローチで、同じ時代の要求に応えようとするコンセプトと見ることができます。
そのため、一見するとドイツの次世代戦車計画は乱立しているように見えますが、実態は「MGCSを待っていては間に合わない」という共通認識から生まれた複数の回答といえるでしょう。





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