2019年、鉄道はこうなる 新線開業に特急新設、路線廃止も(写真11枚)

改元と税率引き上げは鉄道にどう影響する?

 時代の大きな節目となるのが、5月に実施されるとみられる改元です。新元号の発表がいつになるのか、システムの対応は万全なのか、各業界が気をもんでいます。鉄道業界では、ここ数年できっぷや定期券の日付表記を和暦から西暦に切り替える動きが相次いており、「元号離れ」が進みました。残るは整備新幹線の建設計画で目にする「平成42年開業予定」などの表記ですが、これもいよいよ見納めです。

 また、秋には消費税率が引き上げられる見込み。10月1日に税率が8%から10%へ増税されることになれば、同時に運賃改定も行われるとみられます。

 首都圏、仙台、新潟各エリアのJR在来線と関東の一部私鉄は2014年の5%から8%への増税時に、きっぷは10円単位、IC乗車券は1円単位の「二重運賃」を導入しました。増税額をより正確に価格に転嫁できるため、IC乗車券のほうがきっぷよりも運賃が安くなります。しかし、JR東日本の一部区間ではIC乗車券がきっぷより運賃が高くなっていました。

 たとえば、仙台エリアなどの初乗り運賃(一部路線を除く)は、IC乗車券の144円に対し、きっぷは140円です。税率が10%になると、IC乗車券は147円、きっぷは四捨五入で150円になるため、この区間については逆転現象が解消されるとみられますが、新たな逆転区間が生じてしまうのか、あるいはIC乗車券に誘導するために調整するのか注目されます。

 新元号の元年であり、東京オリンピック・パラリンピックまでいよいよ1年を切る2019年は、新時代の到来を感じさせる、何かと慌ただしい1年になりそうです。亥年とはいえ、鉄道は猪突猛進とはならないよう、何よりも安全運転であってほしいものです。

【了】

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Writer: 枝久保達也(鉄道ライター・都市交通史研究家)

1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx

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コメント

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2件のコメント

  1. 楽しみにしててくれ

  2. 結局、税率アップによる1円単位のIC運賃は関東の一部の私鉄とJR東だけだったんだなぁ。。。
    少子高齢化もあって鉄道も何かと「見直し」が目に付く昨今だが。。。
    特に運転士不足ものしかかるバスが今後どうなるのかが心配でもある。
    積極的に利用したい。