通勤電車は平成にこれだけ変わった! いまでは「当たり前」の座席・設備、いつから?

フリースペースも「当たり前」に

 当初一部の車両にしか設置されていなかった「優先席」は、営団地下鉄では1996(平成8)年、JR東日本では1997(平成9)年ごろから全車両に拡大。2003(平成15)年からは車端部の向かい合った座席の両方が優先席となり、この「優先席エリア」では「優先席付近では携帯電話の電源を切り、優先席以外ではマナーモードに設定する」という関東鉄道会社の携帯電話利用統一ルールが制定されました。

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リニューアルされた東京メトロ南北線9000系の1次車(2016年8月、恵 知仁撮影)。

 もうひとつが「車いすスペース」です。通勤形車両で最初に採用したのは1981(昭和56)年に登場した京都市営地下鉄10系電車といわれていますが、本格的に普及したのは平成に入ってからのことでした。1991(平成3)年に開業した営団南北線9000系電車は、東京の地下鉄では初めて車いすスペースを設置して登場し、以降の車両では標準装備となりました。東急電鉄は1992(平成4)年から既存の車両を改造して車いすスペースの設置に着手。JRも1993(平成5)年の209系量産車から設置を開始しました。2000(平成12)年に成立した「交通バリアフリー法」では、1列車に1か所以上の車いすスペースを設けることが義務付けられ、広く普及していきます。

 2010年代に入ると「車いすスペース」は、「シルバーシート」が「優先席」へと拡大したのと同様に、ベビーカーや大きな荷物を持つ人も使える「フリースペース」として再定義されるようになりました。現在では、1両の四隅のうちひとつをフリースペース、3つを優先席に設定するスタイルが主流となっています。東京メトロでは2014年以降に製造または大規模改修を行った車両、東急電鉄では2016年以降の新造車両、JRもE235系からこの配置を採用しています。

【了】

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コメント

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6件のコメント

  1. JR東の209系(901系)から導入の座席袖仕切も忘れてはいけない。
    これのおかげで座席端着席者とドア脇通称狛犬ポジションとのトラブルが減ったのは良い。
    いっそ網棚の高さまで完全に仕切る方がもっと良いと思えるのだが…
    座席の区分も一人分ずつ小さな衝立を立てて区切ってしまうのはどうか?

  2. 冷房車。
    平成一桁のころは、
    まだ残ってたなぁ。

  3. 横浜線に103系が来た時は嬉しかったな
    しかも高運転台で青と緑の混結に横浜線の看板、東海道の湘南色に混ざるスカ色のグリーン車、マジ五色素麺のような美しさだったなー
    今の列車は優等生だけど昔の列車は土臭さに風景に溶け込む情緒がありましたね

  4. 103系の映像が全て関西だと、少し前まで現役だった点。
    だいだい:大阪環状線、大和路線直通快速
    青緑:東海道線・山陽線普通、阪和線普通
    黄緑:大阪環状線、大和路線、JR奈良線
    奈良線以外の103系はすべて撤退、奈良線の103系は、そろそろ消滅らしいが。

  5. この記事のとおり平成年間の変化は確かに大きいが、103系から209系、つまり前の東京オリンピックから1990年代までの変化は、同じ30年の長さでも、もっと凄まじかったようにも思う。
    E235系を見ても、209系を初めて見た日の衝撃がないのは、歳のせいだけではないと思う。
    バリアフリー対応、あらゆるえへの配慮、合理的で快適になったのは良かったが、くたびれた103系がガタピシ都心を闊歩していた、あの平成前半がただただ懐かしい。

    • すみません。あらゆるへの→あらゆる人への、です。