東京駅の中央線ホームが「上」にあるワケ 在来線だが「きっかけ」は北陸新幹線

東京の中心駅として発展したJRの東京駅。地上では新幹線と在来線のホームが横に多数並んでいますが、中央線のホームは山手線と京浜東北線の上に設置されています。そこには新幹線の「ある課題」を解決するための「知恵」がありました。

延びる新幹線、「将来」のホーム不足は?

 1995(平成7)年から在来線の「玉突き」移転を繰り返した結果、JR東日本の新幹線用ホーム(旧12・13番線)に隣接していた東海道線用の旧9・10番線ホームが空き、このホームを改築して新幹線用ホームを増設。最終的には次のようになりました。

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東京駅の新幹線ホーム(2011年2月、草町義和撮影)。

・新1・2番線ホーム:中央線

・旧1・2番線→新3・4番線ホーム:京浜東北線・山手線

・旧3・4番線→新5・6番線ホーム:山手線・京浜東北線

・旧5・6番線→新7・8番線ホーム:東海道線

・旧7・8番線→新9・10番線ホーム:東海道線

・旧9・10番線→新20・21番線ホーム:東北・山形・秋田・上越・長野新幹線

・旧12・13番線→新22・23番線ホーム:東北・山形・秋田・上越・長野新幹線

・14・15番線ホーム:東海道・山陽新幹線

・16・17番線ホーム:東海道・山陽新幹線

・18・19番線ホーム:東海道・山陽新幹線

 こうしてJR東日本の新幹線用ホームがひとつ増えたことから、同社は自社のホームの線路番号も振り直しました。しかし、そのまま番号を振り直すと1~14番線になり、JR東海が管理する東海道・山陽新幹線(14番線)と重複。そこでJR東日本は、新幹線ホームを19番線の続番にして重複を避けました。

 こうしてホーム不足の問題は解消され、1997(平成9)年に長野新幹線が開業。その後、東北新幹線の盛岡~八戸~新青森間や北陸新幹線の長野~金沢間、北海道新幹線の新青森~新函館北斗間が開業し、東京駅に乗り入れる列車の本数も増えていますが、いまのところはふたつの新幹線ホームで対応しています。

 しかし現在、北陸新幹線 金沢~敦賀間や北海道新幹線 新函館北斗~札幌間の延伸工事が進められています。将来的には東京駅のホーム不足が大きな課題として、再び浮上するかもしれません。

 もともとの構想では、上越新幹線と北陸新幹線のターミナルを新宿駅に設けて分散させることになっていましたが、建設費が膨大な額になることから実現していません。この構想の「復活」や東京駅のさらなる重層化も含め、検討されることになるのでしょうか。

【了】

※一部修正しました(6月12日9時00分)。

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コメント

2件のコメント

  1. 東北新幹線が強引に東京駅に乗り入れたことが大きな問題。元通り、上野駅発着に戻すべき。

    • そもそもJR東日本は東海道新幹線に1面2線譲ったのが問題だよ。何がべきだ