東海道・山陽新幹線「ひかり」その未来は? 「のぞみ」と「こだま」の中間
「リニア中央新幹線の開業」で「ひかり」増発?
今後「ひかり」はどうなるでしょうか。JR東海は2020年春のダイヤ改正で「のぞみ12本ダイヤ」を完成させます。ただしこれは「ひかり」「こだま」を「のぞみ」に交代させるからではありません。東海道新幹線の車両がすべてN700Aとなるからです。等しく高性能な車両で統一させると、すべての列車を等間隔で運行し、列車数を増やせます。
運行間隔を詰め、効率よく運用するとなると「のぞみ」「こだま」の2種類の方が良さそうです。通勤路線も運行本数の多い時間帯は種別が絞られる傾向にあります。しかし、筆者が体験した範囲で現在の「ひかり」の利用状況を考慮すると、「ひかり」はこれ以上減らせません。もっと増やしても良いくらいです。
しかし「ひかり」の増発はしばらくの間は難しいでしょう。「しばらく」という理由は、将来は増発の可能性もあるからです。その理由は「リニア中央新幹線」です。2027年に品川〜名古屋間でリニア中央新幹線が開業すると、現在の東海道新幹線の最速列車「のぞみ」の役割、東京~名古屋間の最速移動はリニア中央新幹線が担います。
東京~新大阪間の需要もリニア中央新幹線、名古屋乗り換えに移るかもしれません。そうなると東海道新幹線の需要は低下し、運行総数は減るだろうと予測します。そこに「ひかり」を増発するチャンスがあります。「ひかり停車駅」の人、「JAPAN RAIL PASS」「フルムーン夫婦グリーンバス」の利用者、ジパング倶楽部の割引を利用する人にとっては、リニア中央新幹線より東海道新幹線の方が乗りやすく便利になりそうです。
「ひかり」全盛期の復活。できることなら、N700Sに2階建て車両を追加して「グランドひかり」も復活させてほしいと思います。さて、2020年の初夢の話はここまでにしておきましょう。
【了】
※一部修正しました(2月22日8時22分)。
Writer: 杉山淳一(鉄道ライター)
乗り鉄。書き鉄。ゲーム鉄。某出版社でゲーム雑誌の広告営業職を経て独立。PCカタログ制作、PC関連雑誌デスクを経験したのち、ネットメディアなどで鉄道関係のニュース、コラムを執筆。国内の鉄道路線踏破率は93パーセント。著書に『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。日本全国列車旅、達人のとっておき33選』(幻冬舎刊)など。
杉山さん、6ページ目……。
> 2020年に東京~名古屋間でリニア中央新幹線が走ると
まだですまだです!(笑)
ご指摘ありがとうございます。 訂正いたしました。
ありがとうございます。ひかり号の利用者に外国人や高齢者が多いのは、ある意味JR東海/西日本が、そうさせてしまったものではないかと思います。ジャパンレールパス(JRP)やフルムーン夫婦グリーンパス(FMGP)はいずれも利用条件に当てはまれば、日本全国のJRグループ全線が新幹線を含めて特急指定席が乗り放題の反面、のぞみ号(2011年春からは、みずほ号も)運行当初の全席指定の時から、そして2003年秋以降の自由席設置からは、その自由席をも含めて一切利用不可となっているので、こだま号では、それしか停まらない駅で乗り降りする場合を除いて目的地への到着が遅すぎる為、必然的にひかり号(新大阪以西では、さくら号も)に流れるシナリオであります。