線路幅1067 1372 1435mm… 半端な数字のワケ 高速化 地下鉄建設などと絡む鉄道の歴史
直通先に合わせ… 都営地下鉄は3種類の線路幅が存在
一方、鉄道建設を推進するため、簡素な規格で廉価に建設することを目的とした「軽便鉄道法」に基づいて建設された路線では、1067mmより幅の狭い914mm(3フィート)や762mm(2フィート6インチ)を採用するものも現れ、多種多様な線路幅となって現在に至ります。
戦後建設された地下鉄は、直通先の鉄道の線路幅に合わせて建設されるのが通例なので、その線路幅は路線によってまちまちです。
たとえば都営地下鉄において、浅草線は京急電鉄に合わせて1435mm、三田線は乗り入れ予定だった東武東上線、東急池上線に合わせて1067mm、新宿線は京王電鉄京王線に合わせて1372mmと、3つの異なる線路幅が見られます。また、浅草線と直通する京成電鉄は、京急電鉄に合わせて1372mmから1435mmに線路幅を改める大工事を行っています。
このように一見、中途半端に見える線路の幅ですが、そこには鉄道の長い歴史が隠されているのです。
なおフィート、インチを採用し、現在でもその寸法がそのまま使われているのは、線路の幅以外にもいろいろあります。たとえばJR在来線ホームの高さは、2020年現在760mm(約2フィート6インチ)、920mm(約3フィート)、1100mm(約3フィート6インチ)の3種類が使われています。さらに、多くの私鉄車両の車体幅は2744から2800mm(約9フィート)となっています。
【了】
Writer: 児山 計(鉄道ライター)
出版社勤務を経てフリーのライター、編集者に。教育・ゲーム・趣味などの執筆を経て、現在は鉄道・模型・玩具系の記事を中心に執筆。鉄道は車両のメカニズムと座席が興味の中心。座席に座る前に巻尺を当てて寸法をとるのが習慣。言うなれば「メカ&座席鉄」。
誰か(ごめん思い出さない)の本によると三重県の某所に762mm(確か三岐鉄道)、1067mm(JR)、1435mm(近鉄)の3種類のゲージを跨ぐ踏切があるようですよ。
>カーブで列車がスムーズに走れるよう2分の1インチ広げた
これは信じられない。直線区間まで同じように広げるたらむしろ危険でしょ?
曲線半径ごとに修正すべき調整幅を決めてマニュアルに記載するのが本来のやり方だと思いますが、、、(黎明期ゆえ混乱していたのだろうか)
2分の1インチ広げたのは、車輪のフランジとレールとの問題解決のためである。
「鉄道ファン」(交友社)1976年8月号(No.184)102ページを見ればよい。