五輪輸送で終電延長…とんでもない 新型コロナに翻弄された2020年の鉄道

新型コロナウイルス翻弄された2020年は、鉄道業界にも暗い影を落としました。本来ならば東京五輪に間に合うよう、各社は駅や車両の改修など大掛かりな投資を進めてきましたが、利用者激減の中、決算で軒並み赤字を計上しました。

緊急事態宣言発出 朝ラッシュ時間帯の鉄道利用者は70%減に

 中国の武漢で原因不明のウイルス性肺炎が相次いでいるというニュースとともに迎えた2020年。中国政府は1月23日、武漢と他の都市を結ぶ航空路線や高速鉄道、高速道路を閉鎖し、市内の地下鉄やバスなどの運行を停止する都市封鎖に踏み切り、一気に緊張が高まりました。しかし、この時はまだ、2020年が新型コロナウイルス一色で塗りつぶされるとは思いもしなかったでしょう。

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東京駅に停車する新幹線(画像:写真AC)。

 3月に入るとヨーロッパでも感染者数が爆発的に増加し、WHO(世界保健機関)は3月11日に「パンデミック(世界的な大流行)」を宣言しました。3月24日には東京オリンピック・パラリンピックの1年延期が決定。4月7日には東京都や大阪府など7都府県、続いて4月16日には全都道府県を対象に「緊急事態宣言」が発出されました。

 日本では強制的な都市封鎖は行われなかったものの、感染拡大を受けて鉄道も大きな影響を受けました。国土交通省は2月25日からテレワークや時差通勤への協力を求める呼びかけを開始していましたが、緊急事態宣言が発出されると満員電車の「密」を恐れた利用者の鉄道離れが加速し、4月下旬の朝ラッシュピーク時間帯の鉄道利用者数は前年と比較して70%減にもなりました。その後、5月25日に緊急事態宣言が解除され、鉄道利用者も徐々に戻り始めますが、第二波、第三波の到来もあり、未だに対前年比20~30%減の水準を行ったり来たりしている状況です。

 通勤需要だけでなく旅行需要も大きな打撃を被りました。2019年の訪日外国人旅行者は3188万人と過去最多を記録し、その経済効果は7兆8000億円と試算されるほどでしたが、インバウンド需要は蒸発。入国制限が強化された4月以降は前年比99%減の状況が続いています。

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2件のコメント

  1. 他のニュースから数字を切り貼りして、非常事態モードを作る感じが乗り物ニュースらしくてていいと思う。

    書いてて楽しかったんだろうなぁ

  2. GoTo終了以後が思いやられる。