JR特急「はちおうじ」vs「京王ライナー」どう選ぶ? 新宿から速さ互角 運賃&使い勝手は

使用車両を比較 JRは特急「あずさ」と同じ

 ただ、「はちおうじ1号」の15分後に新宿を発車する「かいじ47号」に乗れば八王子着は19時5分。通勤快速よりもわずかですが早く到着できます。特急の本数が多いことで、疲れている時は15分待って「あずさ」や「かいじ」を利用するという選択肢が得られるのは、JR利用のメリットといえるでしょう。新宿駅の場合は待合室で座って待つこともできるので、この点は至れり尽くせりです。

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特急「はちおうじ」に使われるE353系電車は、長野県内まで行く「あずさ」と同じ車両(2017年11月、恵 知仁撮影)。

 最後に使用車両について見てみます。「京王ライナー」にはロング/クロス転換シートを採用した5000系電車が充てられ、無料Wi-Fiサービスもあるなど通勤形車両としては上質のサービスを提供しています。座席のかけ心地についても、リクライニングこそしないものの、ロング/クロス転換シートの中ではトップクラスにホールド感があり、40分程度の利用であれば満足です。

 対するJRは特急形E353系電車。こちらは「あずさ」として長野県内まで、200km超えの利用を想定したテーブル付きのリクライニングシートです。車内の静粛性も良く、たとえ短距離利用であっても、特急料金760円分の価値は十分にあります。

 このように両社のサービスを比較してみると、所要時間は互角、運賃・料金は「京王ライナー」、運転本数はJR、車両設備はお互い値段相応と棲み分けができているようです。なお、「京王ライナー」は府中以西で特急と同じ駅に、JR特急は途中で立川に停車します。

【了】

【写真】JR新宿駅に残る往年の急行列車の名残

Writer: 児山 計(鉄道ライター)

出版社勤務を経てフリーのライター、編集者に。教育・ゲーム・趣味などの執筆を経て、現在は鉄道・模型・玩具系の記事を中心に執筆。鉄道は車両のメカニズムと座席が興味の中心。座席に座る前に巻尺を当てて寸法をとるのが習慣。言うなれば「メカ&座席鉄」。

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コメント

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3件のコメント

  1. 1枚目の写真の説明文に「1986(昭和60)年に廃止されるまで…」とありますが、
    1.1986年は昭和61年です。
    2.急行アルプスは夜行でその後も存続していたと思います。

    • ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。

  2. 文中では触れられていなかったですけど、1列車当たりの提供座席数ではどちらに軍配が上がるのでしょうか