検査でバラされたC58 火のない貴重な姿のSLを間近で観察

「SL銀河」の牽引機であるC58形蒸気機関車239号機を間近で見られる見学会が、JR東日本 盛岡支社主催で行われました。見られるのは検査中の姿。参加費用2000円に魅せられて訪れましたが、価格以上の見応えがありました。

紅葉とSL、ちょうど今が見ごろ?

「連結器はこうやって開くんですよ。炭水車は水の方が多いのです」

 検修員は機関車の構造や参加者の質問に答えながら、239号機の周囲をぐるっと一回りします。我々参加者も説明に耳を傾けながら、検査中の珍しい姿をカメラに収め、あっという間に1時間が過ぎていきます。参加者と検修員が語らい、和気あいあいとした空間となっていました。

Large 20221101 01
陸中大橋駅を発車し、終点の釜石駅を目指す「SL銀河」。目を引くのが紫色のナンバープレートで、239号機の新製77年の喜寿を祝って装着されたものだ(写真提供:福本圭介)。

 もっとこの機関車を知ってもらおうと、「SL銀河」に携わる人々が協力しあい企画・開催しているんだなと、一参加者としてなんだか温かい気持ちになってきます。じっくり観察しながら現場の声を聞き、改めて1台の機関車を動かす大変さが伝わってきます。

 見学会に参加してからだいぶ経った初秋、私は「SL銀河」を沿線で撮り、そして途中から乗車してみました。あの分解されていた239号機がこんなに力強くドラフト音を響かせて走っているのかと、ひとり感銘を受けました。

 東北復興の支援と地域活性化を目指し2014(平成26)年から走り始めた「SL銀河」は、客車老朽化などの理由で翌2023年春に運行を終了する予定です。その後はどうなるか、現在のところまだ判明していませんが、検修員たちのひたむきな笑顔と取り組みを肌で感じると、何らかの形で存続して欲しいと願ってやみません。この記事が配信される頃には秋も深まり、釜石線はちょうど紅葉とSLが撮れる、良い季節となるでしょう。

【了】

【写真】C58形蒸気機関車の各種パーツ

【鉄道特集】往年の名車、活躍中のエース どんな車両? 国鉄時代の思い出も

Writer:

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。日本写真家協会(JPS)正会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス