食堂車でもビュッフェでもない、それがいい! 列車に「ラウンジ」がある意味 まだまだ進化中!

観光色が強い鉄道車両や、寝台特急のように運行時間が長い列車の中には、座席定員外の「サロン」や「フリースペース」が存在するものもあります。文字通り「自由に着席できる、みんなのスペース」は、どう使われてきたのでしょうか。

寝台列車から定期特急へも広まる

 1985(昭和60)年には、寝台特急に定員外の「ロビーカー」が登場しました。それまでの寝台特急は、乗車中は自分の寝台にいるか、連結されていれば食堂車に行くか、それ以外はトイレと洗面所くらいでしか過ごせる場所はありませんでした。カーテンで仕切られただけの寝台車なので、友人と旅行しても夜間は会話も遠慮する雰囲気があり、ソファが並ぶロビーカーの存在はとても重宝するものでした。

 寝台特急へのロビーカー(ラウンジカー)連結は拡大していき、「北斗星」「あさかぜ」などで共用シャワー室が設けられます。豪華車両「夢空間」には飾り窓やバーカウンターがある「クリスタルラウンジスプレモ」が、「トワイライトエクスプレス」には大きな展望窓のある「サロン・デュ・ノール」が連結され、人気を博しました。

 こうしたフリースペースは「駅弁などを飲食するスペース」としても便利でした。解放形寝台車では食べ物の匂いが発せられるため、ほかの乗客への配慮が必要だったのです。

 フリースペースはさらに広まっていきます。1988(昭和63)年には、SL列車「SLやまぐち」の12系客車がレトロ風に改装されました。オープンデッキの展望車も設けられ、かつての展望車のようにフリースペースの展望室から車窓を楽しむこともできました。現在では大井川鐡道が保有していますが、稼働していないのが残念です。

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大井川鐡道が保有する、レトロ調に改造された12系の現役時代の姿(安藤昌季撮影)。

 また、小さなフリースペースも流行りました。寝台特急「なは」「あかつき」は、豪華なレガートシートの一部を区切って小さなサロン室にしていましたし、夜行急行「はまなす」のドリームカーにも、同じようなサロン室が設けられました。

 観光色の強い豪華な特急列車にも、フリースペースは普及します。1990(平成2)年に登場した251系「スーパービュー踊り子」では、子どもが遊べるスペースや、グリーン車専用ラウンジ(ビュッフェに近い)が登場しています。

 また、乗車時間が長い「SLばんえつ物語」では、現在までに3種類のフリースペースが設けられています。中間車ながら大窓を備えた展望車、編成端には子どもが遊べる「オコジョ展望車」、そしてグリーン車の車端部を展望スペースとした「グリーン車展望室」です。

戦前の展望車とは(写真)

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