なぜ今さらF-15!? 「非ステルス戦闘機」を選んだイスラエルの思惑とは 空自にも影響か?
イスラエルはこのたびF-15「イーグル」戦闘機の追加導入を決め、契約を締結しました。ただ、すでにF-35戦闘機があるなか、なぜ前世代の戦闘機を改めて調達するのでしょうか。じつは、F-35にはないメリットがあるようです。
既存の「イーグル」も大幅改良へ
F-15「イーグル」は対空戦闘を主任務とした単座のA型が原型ですが、後に複座仕様のB型をベースに対地任務も行える戦闘攻撃型が開発されています。そのモデルはF-15E「ストライクイーグル」という名称でアメリカ空軍が採用したほか、世界各国にも輸出され、韓国空軍がF-15K「スラムイーグル」、シンガポール空軍がF-15SG、サウジアラビアがF-15S、イスラエル空軍がF-15I「ラーム」と、各々の名称で採用しています。
このように、輸出によってF-15Eは生産され続けていたのですが、だからこそさらなる改良が施されることになります。それが現在のF-15の最新モデルである「アドバンスドイーグル」で、すでにサウジアラビア空軍がF-15SA、カタール空軍がF-15QA「アバビル」、アメリカ空軍にはF-15EX「イーグルII」の名称で採用されています。
各モデルで仕様は異なるものの、アメリカ空軍が導入したF-15EXでは、AN/APG-82(V)1AESAレーダーやAN/ALQ-250 EPAWSS統合電子戦システムといった最新のアビオニクス機器を搭載しており、非ステルス機でありながらも現代航空戦に十分に対応する能力を持っているとか。とうぜん、F-35といった第5世代戦闘機との連携した運用も想定されています。
今回のイスラエル国防省が採用を決めたF-15IAも、じつはこの一連の「アドバンスドイーグル」をベースにしたモデルなのです。
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