「205系はメンテしやすい」 ジャカルタにある“日本式の”巨大車両基地を訪問 JR東の関係者も常駐する
デポック車両基地はインドネシア・ジャカルタにある、KCIコミューターライン最大の基地です。日本のODAプロジェクトで建設され、車両収容から検査まで一貫して行われます。2025年2月、現場の様子を見てきました。
寒暖差がないゆえのメリットとは
なお、KCIコミューターラインの電車を見て気になるのは、なぜ床下機器が青いのかという点です。理由を尋ねてみましたが、「以前からその色だと決まっている」とか「この色がよいとなったのでは?」と、明確な答えは返ってきませんでした。気分的に青色としたとも言われ、なんともおおらかです。

日本式の車両基地は、ジャカルタであることを忘れるほど日本のような職場環境でしたが、ではこの場所らしい特徴は何でしょうか。
「スコールはあるものの、日本と違って雪がないから環境はよいかもしれない」
「調べたわけではないが、寒暖差がさほどない気候なのでゴム部品の劣化が少ない気がする」
「暑い。一年中暑いよ(笑)」
などなど、熱帯気候らしい意見も。たしかに、汗だくになるほど暑いです。スコールや炎天下で作業に勤しむ職員の皆さんに頭が下がる思いがしました。
デポック車両基地には中国から輸入されたCRRC社製の新車が配備され、現在は営業運転に向けて試運転中です。やがて国産INKA製の新車も完成し、205系を中心として日本の車両が整備される光景も、近い将来劇的に変化していくことでしょう。
Writer: 吉永陽一(写真作家)
1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。
コメント