旅客機の“本気飛び” 中国製と欧州大手では大きな差が…なぜ? かたや「大型機とは思えない」驚愕の動き
シンガポール・エアショーで欧州エアバスと中国COMACがデモフライトを披露しました。この飛び方が2社の機体で全く異なったのです。どういった理由からなのでしょうか。
機体ではなく“組織としての経験値”の差
大型旅客機が派手なデモンストレーションを行う理由は、単なる見栄えではありません。低速での保持性能や姿勢制御の安定性、電気制御を用いた翼面の操舵技術「フライ・バイ・ワイヤ(FBW)」の優秀さを視覚的に示す意味があります。
同時に、その裏側には厳格な安全マネジメントがあります。エアバスやボーイングは開発試験パイロットが担当し、地上のシミュレーターで想定シナリオを繰り返し検証したうえで、当日のフライトに臨みます。長年の蓄積によって、「どこまで見せるか」と「どこから先は危険」という判断基準も成熟しています。
一方、COMACは依然として国際エアショーへの参加経験が少なく、今回のシンガポール・エアショーもまだ2回目。機体の性能というより、展示運用・安全審査・デモ構成といった組織としての経験値が相対的に限られていることが、フライトのトーンにも影響しているといえます。
実際に筆者が機内公開でC919を見学した際、同社パイロットは「C919でもA350のようなフライトは技術的には可能」と述べていました。つまり今回のフライトが控えめだったのは、性能ではなく“何らかの意図による運用上の制約”によるものだといえるでしょう。
今回のデモフライトは、機体そのものの優劣ではなく、メーカーごとの展示方式と「経験の積み重ね」がそのまま飛び方に表れた結果だといえるでしょう。今後、COMACが国際エアショーで実績を重ねていけば、C919がエアバス機のような積極的な飛び方を行なうようになるかもしれません。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info





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