年間175億円 新幹線の“線路使用料”どうなる? 国「もっと払えるはず」vs JR「過去の話と違う」それぞれの言い分

整備新幹線の貸付料をめぐり、国と、運行を担うJR各社の間で、開業31年目以降の考え方について見解が分かれています。「できるだけ多く払ってほしい」国と、「安くしてほしい」JR側、それぞれの言い分を見ていきます。

国の主張は大きく3点

 整備新幹線の整備スキームは非常に複雑なので詳しい経緯は省きますが、現状では各線区の貸付料690億5千万円、公共事業費として国が約800億円、地方が約400億円、合計約1900億円が整備新幹線の財源です。今後も北海道新幹線新函館北斗~札幌間、北陸新幹線敦賀~新大阪間、西九州新幹線新鳥栖~武雄温泉間に多額の費用がかかります。

 最初に開業した北陸新幹線(長野新幹線)高崎~長野間の貸付料は年間175億円で、全体の4分の1を占める「稼ぎ頭」です。2027年で30年目を迎えますが、31年目以降の貸付料の取り扱いはまだ何も決まっていません。そこで設置されたのが、冒頭に記した小委員会です。

 国が「できるだけお金を取りたい」のは、整備新幹線に充当する予算を確保したいからです。もう一つはJRに追加負担を求めることで国費の支出を抑制したいという財務省の立場もあります。31年目以降も収入を確保するだけでなく、より多い額を取りたいと考えています。

 国の主張は大きく次の3点です。第1に「整備財源としての貸付料の長期的かつ安定的な確保」、第2に「適正な受益の把握と貸付料への反映」、第3は大規模改修など「将来的な課題への備え」です。

 国とJRで一致しているのは、30年が経過して「開業しなかった場合」という比較対象が成り立たないため、31年目以降は現行のWith/Without方式の算定は困難との認識です。国は不動産賃料の考え方を参考とした算定方法にすべき、JR側は施設の状態に見合った維持管理等に要する費用をベースとした算定方法にすべき、と主張しています。

 JR側は今後、施設の老朽化に伴う日常的な維持管理費や更新工事費(老朽取替)の増加、自然災害発生リスクへの追加対応費用の増加で受益が減少するため、貸付料は下がるはずと主張します。一方、整備新幹線は工法を改良しており、今後30年は既設線と同様の大規模改修は必要ないというのが国の立場です。

 国は現在の貸付料は不当に安いと考えています。例えば、北陸新幹線高崎~金沢間の利用実績は貸付料算定の根拠となる需要予測から2~6割上回っており、これを含めれば追加で年176億円を得られたとしています。

【図表で整理】貸付料をめぐる八つの論点

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 「国」と言うても、地元自治体政治家の推しによって敷設された鉄道だからね、

    その時強力に推した人たちに責任取ってもらうのがスジだろうね。

記事ランキング

  1. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  2. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  3. 海自潜水艦 アメリカ海軍の“歴戦の揚陸艦”を標的に魚雷発射! 実弾演習で巨大な水柱があがる瞬間を公開
  4. 「断固たる措置を講じる」首都高公式ブチギレ! 「公平性を著しく損なう」非常識ドライバーに“鉄槌”…一体何が?
  5. バス運転士「辞めないで」 東京都が“給与の手当”を10年間補助! 独自の定着支援で「路線廃止」を防ぐ
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開