欧州FCAS空中分解でドイツも急接近か!? 日英伊「GCAP」に群がる参加国と、浮き彫りになる日本の“危機”

欧州の次期戦闘機開発「FCAS」が中止となり、ドイツが日英伊の「GCAP」へ参加する可能性が浮上。しかしGCAPも経費増大やイギリスの資金不足など課題が山積しています。日本が取るべき道を考察します。

開発遅延のリスクと日本に迫られる“決断”

 またイタリアでも、60億ユーロ(約1兆500億円)と見積もられていた自国の負担額が3倍の186億ユーロ(約3兆1500億円)に増加したことが報じられるなど、GCAPの開発経費は当初の想定より増加しています。

Large 20260612 01

拡大画像

BAEシステムズやレオナルドが開発・生産に関与している多国籍戦闘機ユーロファイター(画像:写真AC)

 このため、参画国の増加によって開発遅延を望まない日本とは対照的に、「ユーロファイター」の製造が続くイギリスやイタリアは、開発スケジュールの厳守よりも、将来の輸出につながるオブザーバー参加の枠組みに熱心だと思われます。

 しかし、GACPのオブザーバー候補国のうち、オーストラリアはF-35Aをすでに運用し、カナダとポーランドおよびドイツはF-35Aを発注しています。このため、GACPの性能や開発スケジュールに満足できなかった場合や、アメリカの次の政権が国際協調路線に復帰した場合、GACPの導入を見送る可能性は十分にあるでしょう。

 こうした状況を踏まえると、まずは日英伊3か国がGCAPを計画通りに開発し、GCAPオブザーバー参加国の関心をつなぎ止めることが大前提となります。

 その最大の障壁がイギリスの開発拠出金である以上、その不足分を日本が肩代わりする代わりに、イギリス担当部位(機体ステルス技術やレーダーなどの電子機器)を日本が引き受けるといった、思い切った開発枠組みの見直しを、7月の日英伊防衛相会談の議題にする必要があるのかもしれません。

【GCAPと連携か】これが「日の丸無人戦闘機」のコンセプトです(写真)

Writer:

月刊誌『軍事研究』編集部記者。編集作業の傍ら、運用者である防衛省・自衛隊および防衛装備品を作る国内外企業などの取材をもとに記事を(不定期に)執筆する。

最新記事

コメント

2件のコメント

  1. ドイツの参加は無理ですね。ドイツは、生産割合を要求するから、開発が遅れますので日本は反対する。資金が欲しいイギリスの枠やイタリアの枠を調整するなら可能なこと

  2. イギリスのヒーリー国防相辞任は影響ありそう。

    ヒーリー元国防相は国防費増額派、スターマー首相は国防費増額を渋っている。