同じ区間で運賃ほぼ倍「路線バス」vs「空港リムジンバス」どっちを選ぶ? 「こんなに違うのか!」価格差も納得
松山空港と松山市街地を結ぶアクセスバスには、リムジンバスと路線バスの2種類があります。運賃や設備だけでなく、所要時間が大きく違うのには明確な理由がありました。
いつの間にか空港に!そのワケは…
松山市に着いた2日後の夕方、ANAの羽田行きに乗るために松山空港へ戻ります。筆者は所用のためJR松山駅前停留所に着くのが18時15分ごろになると見込まれました。路線バスの時刻表を調べたところ、松山駅前18時10分発には間に合わず、次の18時25分発だと空港着が18時51分になります。
予約していた旅客便の出発は19時50分。国内線なので1時間前を目安に空港に着いていることが推奨されています。松山駅前を18時25分に出る路線バスの場合は1分とはいえ1時間を割り込み、途中で道路渋滞があった場合などは遅延するリスクも否定できません。
どうするか迷っていたところ、地元住民から「リムジンバスを使った方が確実ですよ」と教えてもらいました。
松山駅前を18時20分に出発するリムジンバスがあり、空港着は18時35分とわずか15分で結ぶダイヤです。時刻通りに走った場合、空港に出発時刻1時間15分前に着くことができます。
所要時間は路線バスの半分で、「なぜこんなに早く着くのか」と首をかしげながら松山駅前の停留所へ向かいました。
やって来たリムジンバスは2009年式の「セレガ」で、運転席隣の1か所だけある扉から乗降します。乗り降りする際にIC乗車券を端末にかざすのは路線バスと同じです。リムジンバスは予約制ではなく、先着順で乗車します。
定刻に出発したリムジンバスは松山駅前の停留所を出た後、往路に路線バスが通ってきたのと同じ道をたどります。ところが、路線バスよりも手前の交差点を右折し、JR四国予讃線の高架をくぐりました。
リムジンバスは路線バスとは異なる愛媛県道松山空港線の新道(通称・新空港通)を西進し、松山空港へと進むのです。路線バスが走る空港通にはないトンネルも途中にあり、ショートカットしている感覚を抱きながら車窓を眺めているといつの間にか空港に着いていました。
「市駅」からなら、その差320円!
伊予鉄グループによると、リムジンバスの松山空港―JR松山駅前までの営業距離は5.8kmで、路線バスよりはるかに短距離です。途中に住宅街が広がっている空港通は渋滞することも多く、路線バスのため途中の停留所で乗降客が多い場合には遅れるリスクもあるため、空港へ時間通り確実に着く“保険料”込みと考えればリムジンバスを利用する価値があると筆者は受け止めました。
リムジンバスは松山空港からJR松山駅、愛媛新聞社前、松山市駅までは大人1000円(キャッシュレス利用で980円)均一です。路線バスとの差額は松山空港―JR松山駅前は470円あるものの、松山空港―松山市駅は320円に縮まります。
なお、松山空港発のリムジンバスは一部が松山市駅止まりで、残りは道後温泉駅前まで走ります。これに対し、道後温泉駅前発のリムジンバスはJR松山駅前を経由するものの、松山市駅は通りません。松山市駅から松山空港まではノンストップの直行便が運行されており、こちらも新空港通を経由します。
さまざまなルートを通る空港アクセスバスが用意されているのは面白く、道後温泉をはじめとした観光名所が豊富な松山市を訪れる楽しみの一つになるかもしれません。
Writer: 大塚圭一郎(共同通信社経済部次長・鉄旅オブザイヤー審査員)
1973年、東京都生まれ。97年に国立東京外国語大学フランス語学科卒、共同通信社に入社。ニューヨーク支局特派員、ワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。「乗りもの」ならば国内外のあらゆるものに関心を持つ。VIA鉄道カナダの愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。





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