RV/SUVのアイコン「背面スペアタイヤ」、最近の車種で見なくなったワケ

そもそもなぜ背面にスペアタイヤ?

――そもそもなぜ背面にスペアタイヤが取り付けられていたのでしょうか?

 当社における背面スペアタイヤのルーツは、戦後に米国からノックダウン生産(外国製品の主要部品を輸入して、現地で組み立てや販売を行う方式)していた「ジープ」です。たとえば車室内にスペアタイヤが格納されていれば、交換の際に荷物を取り出さないといけませんし、車両の下に搭載されていれば、砂漠や泥地で車両の下に潜ることができません。そのため「ジープ」では背面スペアタイヤが採用されました。

 つまり背面のスペアタイヤは、道なき道を走っていくエクストリーム(極限)なプロユースを想定したものです。また、ここにあれば日常の点検がしやすいというメリットもありました。

――そのようなプロユースを想定した背面スペアタイヤが、なぜ多くのRV/SUVに採用されたのでしょうか。

「ジープ」から派生した乗用車である「パジェロ」のヒット以降、背面スペアタイヤの役割は、「RV/SUVらしさ」のデザインという点に移行しました。路面の良い日本でファッションとしての「RVブーム」が起こり、背面スペアタイヤがRV車のアイコンとなった側面があります。

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三菱の新型SUV「エクリプスクロス」。背面スペアタイヤはない(画像:三菱自動車)。

※ ※ ※

 三菱自動車によると、現在のSUVは「パジェロ」のような本格4WDではなく、おもに街乗りを想定した「クロスオーバー」と呼ばれるタイプが主流で、砂漠や泥地を走る環境も少ないことから、スペアタイヤを搭載する必要性は薄くなっているそうです。

【了】

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コメント

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5件のコメント

  1. タイヤの交換ができないSUV乗りも多そう

    あとは、車がSUVでも目的から手段へと変化しているということなのかな?

  2. 今のパジェロはスペアタイヤは背面に無いとダメだという怨念に取り憑かれているのか知らんが
    とても見るに堪えないデザインをしていると思う

    • 以前のパジェロはバンパー上にスペアタイヤがあったのでバック視界が無いに等しかった
      それまでクーペに乗っててエアロ付いてても視界は狭かったが、クーペにエアロは逆に後方スペースの目安に成ったので全然気にならなかったけど
      パジェロはドライバーの視界を妨げるようにスペアタイヤが後方を良い感じに遮断しているのでアレは酷かった。
      乗ってた時は殆ど後方確認だけでドアミラーでバックしてた記憶がある。

  3. 一応に脱着可能なら車両寸法には含まれないはずだが?実際に常備してるわけだから車検証や諸元はどうなってるのだろう?
    よく自分の車の高さすら知らないアホがキャリア付けて全高オーバーでフェリーの船底に誘導されたと怒ってるの見るがね
    ミラーや反射器などは全幅には含まれないけど、いいかげんに脱着可能で全高に含まない古いやりかた止めて常備するなら構造変更くらいさせたらどうかね?、よく選挙の街宣車でガードに突っ込んで屋根上の看板壊してたのいたでしょ

    • スペアタイヤは寸法には含まれないはずです。
      含まれたら軽の場合、間違いなく寸法オーバーです。
      また、背面にあれだけ(タイヤ本体)の空間があると、追突された時の安全性が向上すると聞いたことがあります。