「着席列車」だけじゃない鉄道会社の着席サービス「二区間定期券」の工夫と各社の思惑

利便性や快適性を高め、沿線人口を増やしたい鉄道各社。近年は「着席サービス」提供がトレンドですが、行き帰りで利用区間を変えられる「二区間定期券」も、その工夫のひとつです。ただ鉄道会社により、温度差や思惑の違いもあるようです。

着席通勤できる「着席列車」じゃない選択肢「二区間定期券」

 2020年も、追加料金の支払いで確実に座れる「着席列車」が新たにデビューします。

 東武鉄道は6月6日(土)、東武スカイツリーライン(伊勢崎線)と、地下鉄日比谷線を直通する座席指定列車「THライナー」の運行を開始します。地下鉄直通の着席列車は、小田急電鉄の特急「ロマンスカー」、西武鉄道の「S-TRAIN」に次ぐ3例目。できれば座って通勤したいという利用者の声に応える取り組みが、ますます加速しています。

 とはいえ着席通勤のために、毎日500円から700円の料金を支払うのは、さすがにちょっと気がひけるという人が多いはずです。それでも帰りくらいはゆっくりと座りたい。そのような人のために一部の鉄道事業者は、ふたつのルートを選択できる特殊な定期券「二区間定期券」を発行しています。

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「THライナー」に使用される東武鉄道の70090型電車(画像:東京メトロ)。

 東京圏の私鉄は、多くの路線が地下鉄との相互直通運転を行っています。直通運転は、終点からそのまま地下鉄に直通する東急東横線や東急目黒線などの路線と、途中の接続駅から地下鉄に乗り入れる東武東上線や西武池袋線、小田急小田原線といった路線の2タイプに分けられます。

 二区間定期券が活躍するのは後者、つまり本線と地下鉄直通ルートが異なる路線です。定期券は、原則として購入時に指定した経路のみ乗車できますが、二区間定期券の場合、私鉄の本線ルートと地下鉄直通ルートの両方の経路を利用することができます。

【図解】使い分けが可能「二区間定期券」とは

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1件のコメント

  1. 長野だとバスで似たような扱いあります。長野電鉄の鉄道とバスで、特殊共通定期券(通勤・通学)持ってると同一区間限定でどっちでも乗れる。
    https://www.nagaden-net.co.jp/info/ticket/